マニュアルアカデミー
ソフトウェア製品などのカスタマーサポートといったCS業務でトラブルに対応するにあたり、用意しておきたいのがマニュアルです。
ですが「マニュアルがどのように役立つのかわからない」と感じている方もいるでしょう。
そこで、今回はトラブル対応においてマニュアルを作成するメリットや、具体的な作成方法を紹介します。この記事を読むことによってマニュアル作成の基本がわかるようになるので、ぜひ参考にしてください 。
目次
トラブルシューティングとは
トラブルシューティングにおける課題
CS業務においてマニュアル準備は有効なのか
マニュアルを作成するメリット【トラブルシューティング】
トラブルシューティングマニュアルの作成方法
マニュアル作成&活用のポイント【トラブルシューティング】
マニュアル作成時の注意点【トラブルシューティング】
マニュアル作成を外注することがおすすめである理由
トラブル対応業務はマニュアルを作成しておくのがおすすめ
トラブルシューティングとは、製品・サービスに何らかの異常が発生した際に行うトラブル解決のための対策のことをいいます。問題が発生している場合は原因を突き止め、適切な方法で対処しなければなりません。
そのため、症状や問題が発生しているポイント、原因、問題を解決・緩和・代替するための方法がトラブルシューティングとしてまとめられています。
例えば、家電の取扱説明書にはトラブル発生時の確認ポイントや対策が記載されており、これもトラブルシューティングです。
カスタマーサポートがユーザーの問い合わせを受けてトラブルを確認しながら解決を目指すこともあります。また、ユーザーが自身で対応できるようWebサイト上の製品案内などにトラブルシューティングコーナーが設けられているケースも多いです。
CS業務における問い合わせ対応には、いくつか課題があります。
例えば、問い合わせに対し、必ずしも迅速な対応ができるとは限らない点です。難易度が高い内容の問い合わせがあった場合、回答に時間がかかってしまう可能性があります。
場合によっては他部署に問い合わせをしなければなりませんが、担当者が不在である場合などは対応の遅れが大きくなってしまう可能性が高いです。
近年は電話だけではなくメール、チャット、SNSなどさまざまな形で問い合わせが可能ですが、これにより複数の問い合わせチャネルに対応できないことを課題と感じている企業も多いようです。対応担当者によって対応力が異なるのも課題といえます。
CS業務における問い合わせ対応では、それぞれの課題を解決するために適した形で柔軟に対応しなければなりません。そのため、マニュアル化したところで役に立つのかと疑問に感じている方もいるでしょう。
しかし、マニュアルを充実させておけば、さまざまな問い合わせに対して対応しやすくなります。その際、担当者によって対応品質の差が生まれにくくなるのもポイントです。
自社のCS業務における問い合わせ対応の質を全体的に高めたいと考えているのであれば、マニュアル作成は非常に有効だといえるでしょう。
トラブル対応においてマニュアルを作成することにより、さまざまなメリットがあります。ここでは代表的なメリットを4つ紹介します。
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「マニュアル作成の目的とは?作成のコツとともに紹介」
コールセンターのほか、Webサイト上にトラブルシューティングマニュアルを掲載する方法があります。問題をユーザー自身で解決できるようになれば、クレーム数を減らすことにもつながります。
例えば、非常に簡単な方法で解決できるトラブルは、トラブルシューティングマニュアルを確認することでユーザーが自身で問題を解決できる可能性が高いです。そういったものも有人対応にしてしまうとカスタマーサポートの負担が大きくなってしまうばかりか、コストもかかります。
また、カスタマーサポートへの問い合わせを手間に感じているユーザーから見てもトラブルシューティングマニュアルの公開はメリットがあるといえるでしょう。
問い合わせに対応するスタッフによって対応の品質に差があるケースがありますが、マニュアルを用意することによって標準化が図れるのもメリットです。
例えば、ベテランのスタッフでなければ回答が難しいような内容もマニュアル化しておけば、誰でも答えられるようになります。一部のスタッフしか対応できない属人化の排除にもつながるポイントです。
ユーザーから見ても、対応力の低いスタッフにあたってしまうと求めている回答が得られなかったり、問題が解決できなかったりするデメリットがあります。これにより、ユーザーが離れてしまう可能性もゼロではありません。
対応品質の標準化のためにもマニュアルを作成しましょう。
Webサイト上にトラブルシューティングマニュアルを掲載しておけば、有人対応が難しい土日などでもユーザー自身で問題の解決を目指すことが可能になります。夜中や年末年始などに関しても同様です。
もしもトラブルシューティングマニュアルがなくコールセンターの対応時間外である場合、問題が発生しているユーザーは問い合わせができるタイミングになるまで問題が解決できません。その間は業務がストップしてしまう可能性もあるでしょう。
製品に対する不満につながりやすいポイントです。
また、コールセンターの対応時間外などに有人対応ができずトラブルシューティングマニュアルもないと月曜日、次の営業日に問い合わせが集中して対応しきれなくなってしまうこともありますが、こういったリスクも減らせます。
CSスタッフ向けのマニュアルを作成しておくことによりイレギュラー対応が可能になり、リスクマネジメントにつながります。業務の中でイレギュラーが発生してしまう可能性は少なくありません。
ですが、そういったときもマニュアルがあれば最適なイレギュラー対応方法がわかり、すぐに動けるようになります。
特にトラブル対応業務に就いて間もない担当者は、不測の事態が起こった際にきちんと対応できるのか不安を感じてしまうこともあるでしょう。マニュアルを用意しておけば「何かあったらマニュアルを確認すればいい」といった安心感を得られます。
実際にトラブルシューティングマニュアルを作成する際には、どのように進めていけば良いのでしょうか。ここでは、マニュアルを作成し、それを活用していくためのポイントを解説します。
前提として、マニュアルを作成する際は、対応の流れをフローチャートで作成しておくのがポイントです。
特にクレームに関してはパターンを網羅したフローチャートを作り、一人ひとりの担当者が適切に対応できるようにしましょう。
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「マニュアル作成に役立つツール」
マニュアルを作成して活用していく際のポイントは、項目の整理、問い合わせ・クレームへの対応方法 、ロールプレイング実践です。それぞれ解説します。
まず必要になるのが大分類となる項目の整理です。どのような問い合わせやトラブル、クレームが多いのか項目を挙げていき、カテゴリー別に分類しましょう。
そのためには、実際に自社に寄せられている問い合わせなどの内容を確認することから始めなければなりません。
大分類に分類をしてから中分類、小分類とさらに細かく分類していきます。
項目整理を行う際は、そのマニュアルを参照する人にとってわかりやすい形で整理していくことが重要です。ベテランスタッフではなく新入社員が参照することもあるでしょう。参照する人のレベルを考えた上でマニュアルを作成していく必要があります。
また、マニュアル全体の方向性を定めるため、項目整理の際に具体的な構成や目次も決めておきましょう。マニュアルの構成を考える際は、重要な情報は「注意」「重要」などと部品化して目立つようにするのも効果的です。
マニュアルに沿って対応する際、問い合わせてきたユーザーに対してどのような伝え方をするのかも考えておかなければなりません。 わかりやすい表現を使うのはもちろんのこと、押し付けがましくならないように注意が必要です。
クレーム対応の場合は謝罪の伝え方もマニュアルに記載しておくようにしましょう。仮に企業側に非がない場合でも不満を抱かせたことに対しては「ご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません」など部分的な謝罪が求められます。
マニュアルを作成したらそれで終わりにするのではなく、実際にロールプレイングを行い、マニュアルが正しく機能するか確認が必要です。複数人でそれぞれの役割を演じ、その問い合わせやクレームが入った際に想定していた形で対応できるか確認します。
ロールプレイングを行うことにより担当者の対応スキルを高めることもできるでしょう。また、実際にマニュアルに沿って対応をしたところ、不足している情報が見つかるようなケースもあります。
特にシステム障害発生時の対応などは迅速に行わなければなりません。早期の問題解決につなげられるようなマニュアルが作成できているかロールプレイングで確認してみてください。
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「マニュアル作成で失敗しない方法!作成手順やコツを徹底解説」
マニュアルを作成する際 、特に重視したいのが形骸化しないように、作成時から改訂しやすさや運用方法などを意識しておくことです。
形骸化とは、物事や制度などが本来の機能・役割を失ってしまい、形だけのものになることをいいます。これを防ぐためには、マニュアルをきちんと活用していくのはもちろんのこと、PDCAをまわして常にアップデートしていくことが欠かせません。
形骸化しやすいケースとして、マニュアルを作成したものの使いにくいようなケースが挙げられます。こういった事態にならないように問題がある箇所は見直し、定期的に更新しましょう。
実際にマニュアルの使用者にアンケートをとり、使いにくいと感じるポイントなどを確認してみるのもおすすめです。
自社でマニュアルを作成することもできますが、それよりもマニュアル作成専門業者への外注をおすすめします。外注することにより、以下のような効果が期待できます。
ユーザーにとってわかりやすいマニュアルを作るためには、マニュアルづくりに関する専門的な知識が必要です。制作会社に依頼することにより、その会社がこれまで蓄積してきたノウハウを活かしたクオリティの高いマニュアルに仕上がります。
自社でどのようなマニュアルを用意すべきかわからない場合も専門的な知識を持ってさまざまな提案を受けられるのが魅力です。
外注することで自社のリソース削減につながります。その分、自社で本業に時間と人員を割けるようになるため、特に人手不足・人材不足に陥っている企業は外注でのマニュアル作成を検討すると良いでしょう。
外注するとマニュアル作成のコストがかかることを心配する方がいますが、制作会社に依頼した方がコストを抑えられるケースもあります。
マニュアル作成に不慣れな自社の社員が作成を行うことになれば、どうしても時間がかかってしまうでしょう。また、時間をかけても納得のいく仕上がりになるとは限りません。
結果として修正などに時間がかかり、人件費が高くついてしまうこともあります。
いかがだったでしょうか。CS業務などにおいてトラブルシューティングマニュアルを作成することで期待できるメリットや作成方法などを紹介しました。マニュアル作成を検討する際におさえておきたいポイントがご理解いただけたかと思います。
さまざまなメリットがあるので、ぜひマニュアルの作成を検討してみてはいかがでしょうか。
フィンテックスではCS業務で役立つマニュアル作成にも対応しています。そもそもどういったマニュアルを作れば良いかわからないといった場合も一からご相談いただけるので、お問い合わせください。
つい読んでしまうマニュアル作成のリーディングカンパニー、株式会社フィンテックス
監修者
企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)
<略歴>
フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。
2024.10.29
2024.10.29
2024.10.04
2024.10.04