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業務改善

業務改善の進め方は5ステップ!活用したいフレームワークも確認

売り上げ向上や作業効率の向上を指すためにも行いたいのが、業務改善です。ただ、進め方について理解しておかないと思うような効果が得られないこともあります。

そこで「業務改善の進め方が知りたい」と考えている方のため、基本的なステップや活用可能なフレームワークを解説します。この記事を読むことによって、どういった流れで業務改善につなげていけば良いのか、どのような注意点があるのかなどがわかるようになるので、ぜひご覧ください。

目次
業務改善とは
業務改善の進め方
業務改善を進める上で活用できるフレームワーク
業務改善を進める際の注意点
社内で業務改善を進めるのが難しい場合
業務改善の進め方を事前に確認しておこう

業務改善とは

そもそも、業務改善とは具体的にどういったもののことをいうのでしょうか。

現在行っている業務の中に、やり方や進め方などを見直すことによって効率化できる作業がある場合、基本的な現状のプロセスは大きく変更することなく、より良い形に工夫していくのが業務改善といえます。

特に注目したいのは、現在の業務の中で発生している「ムリ・ムダ・ムラ」です。

中には、業務改善の必要性がよく理解できておらず、前向きに検討できない方もいるでしょう。しかし、業務改善することで作業時間が短縮され、業務工程も簡略化できるようになります。

結果としてサービスや商品の品質が向上するほか、従業員の負担軽減につなげることも可能です。これは企業として利益を拡大していくためにも重要なことといえます。

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業務改善の進め方

業務改善は気になるところから一つずつ取り組んでいくのではなく、全体の課題やステップを確認した上で行うことが重要です。ここでは、具体的な進め方を5つのステップで紹介します。

①業務の可視化

まず行わなければならないのが、業務を可視化していく作業です。これは、現状の業務の概要や全体像を把握するためにも欠かせません。

はじめに業務の洗い出しによる可視化ができていないと、その後の業務改善がうまくいかなくなるので、注意しましょう。

具体的な作業内容だけではなく、そのために必要なタスクや時間、作業を行う従業員の数や求められるスキルなどを明確にしておきます。

業務改善の計画を任された担当者が独自に行うのではなく、各業務を行っている現場や担当者にヒアリングしながら進めましょう。通常業務に関することだけではなく、繁忙期のみ発生する作業や、トラブル発生時などの作業についても確認が必要です。

②課題の整理

業務の可視化を行うことにより見えてきた課題を整理していきます。ここでいう「課題」とは、現在問題になっていることや、改善の必要があるものです。
作業効率が悪くなっているポイントや安全性に問題があることなどは、特に力を入れて改善に取り組んでいかなければなりません。

課題を把握する際にも、現場や担当者へのヒアリングが役立ちます。
初めて業務改善に取り組む場合は、いくつもの課題が見つかってしまうことも少なくありません。

複数の課題に同時に取り組むのは難易度が高くなってしまうため、課題を整理した上で優先順位を決定しましょう。

③ゴール・方針策定

業務改善のゴールを明確に定めておきます。例えば「作業効率を向上させる」などをゴールとして定めてしまった場合、具体的な目標が必要になります。

「これまで30日かかっていた納期を3日縮める」「コストを1割削減する」など、具体的な目標を定めると効果的です。その際、最終的な目的が何なのかを決めておきましょう。

例えば、コストの1割削減を達成できたとしても品質が下がってしまうのは問題です。全体として何を目的としているのか方針を策定しましょう。

④計画の実行

やるべきことが明確になったら、計画を実行に移していきます。その際には、後ほど詳しく紹介するフレームワークを活用するのも効果的です。

計画を実行する際は、目標を達成するための期間を定め、その期間中は定期的に進捗を確認しましょう。
例えば、1年かけて行う業務改善の場合、計画を実行し始めてから1年後に評価を行うと、うまくいっていなかった場合に気づくのが遅れてしまいます。中間のタイミングである6カ月後、または毎月などのタイミングで進捗を評価していきましょう。
場合によっては途中で目標や業務改善の実行方法を変更していくことも求められます。

⑤振り返りと改善

改善計画の工程が完了したら、どの程度の効果が得られたのか評価を行いましょう。あらかじめ課題として挙げていたことが解決したのか、どの程度の効果が得られたのかなどを調べます。

また、想定していた程度の効果が得られなかった場合は、その原因を追究しなければなりません。
多くのケースでは一度で完璧な業務改善につなげるのは難しいです。そのため、はじめから大きな目標を立てて無理をするのではなく、何度も業務改善を繰り返しながら理想の形に近づけていきましょう。

振り返りの結果、明らかになった改善ポイントはしっかり記録としてつけておきます。そうすることにより、次回似たような業務の改善に取り組んでいく際、大きな助けになるでしょう。

業務改善を進める上で活用できるフレームワーク

業務改善を効率的に進めていくためには、フレームワークを取り入れてみるのも良いでしょう。
ここでは、業務改善につながる効果が期待できるフレームワークを7つ紹介します。

ECRS

ECRS(イクルス)は、以下の4つの視点から業務改善を行うためのフレームワークです。

【ECRS】

  • Eliminate(排除):不要な業務や工程がないか確認
  • Combine(結合):まとめられる業務を探してまとめる
  • Rearrange(交換・組み換え ):工程や担当者の交換や組み替えを行う
  • Simplify(簡素化):業務の工程を簡略化する

事前に全体の業務の洗い出しを行っておきましょう。どのような形で業務改善が必要か全体像を把握するのにも役立ちます。

BPMN

BPMNは「Business Process Model and Notation」の略です。業務フローに関する国際基準であり、現在の業務プロセスをモデル図として描画することによってプロセスの関係性を把握するのに役立ちます。

また、モデル図として描画すると全体の作業の流れがわかりやすくなるので、どこでムダが発生しているのかも見つけやすくなります。

活用していくためには、正しい形でわかりやすくBPMNを描画することが重要です。矢印の流れがわかりにくくならないように整理することも求められます。

PDCA

PDCAは、全体の進捗管理などを行うのに役立つフレームワークです。以下の4つを繰り返し行っていくことになります。

【PDCA】

  • Plan(計画):業務改善の計画を作成する
  • Do(実行):作成した計画を実行する
  • Check(評価):実行した行動を評価・分析する
  • Action(改善):改善し、次回につなげていく

計画、実行、評価、改善など一連の流れをひとつのサイクルとして考え、これらを継続していきます。業務改善だけではなく、さまざまな場面で使用されているフレームワークです。

ロジックツリー

ロジックツリーは「決定木分析」とも呼ばれるフレームワークです。

現在発生している問題や課題をツリー状に枝分かれさせ、分解しながら原因などを考えていきます。

業務改善を論理的に進めていきたいと考えている場合に向いているでしょう。

KPT

KPTは現状分析をするのに役立つフレームワークです。以下の頭文字を取って名付けられました。

【KPT】

  • Keep(良いこと・継続すること)
  • Problem(問題・課題)
  • Try(試してみること・挑戦してみること)

業務改善では、特に問題がないポイントまで変更していく必要はありません。継続することや改善が必要な問題、どういったことを行っていくのかなどを検討し、実践していきましょう。

バリューチェーン分析

バリューチェーン分析とは、原材料の調達から始まり、最終的に顧客が購入するまでの流れのうち、どの工程で価値が生まれているのかを分析するのに役立つフレームワークです。

大きな価値を生み出している工程がわかれば、そこは自社にとっての強みといえる部分になります。

反対に価値につながっていない工程は自社にとっての弱みともいえるものです。業務改善すべきポイントを見極めるのにも活用できます。

マンダラート

マンダラートとは、目標を設定し、それを達成するために必要なアイデアをマス目に書き込んでいくフレームワークです。

はじめに3×3の9マスを作り、中央に目標やテーマを書き込みます。そこから放射状にアイデアを出していく形です。

大量のアイデア出しをする際にも役立ちます。

業務改善を進める際の注意点

業務改善に取り組む際には、いくつか注意しておきたいことがあります。特に以下の5つに注意しましょう。

QCDのバランスをとる

業務改善の結果、QCDのバランスを最適化できるように取り組んでいくことが重要です。QCDとは、以下の頭文字を取ったもののことをいいます。

【QCD】

  • Quality(品質)
  • Cost(予算)
  • Delivery(納期)

品質を向上させて予算を抑え、納期を短縮するための取り組みを行います。ただし、これらは相互に作用している点に注意しましょう。

例えば、品質を向上させようと考えたときには、予算が高くついてしまったり納期が長くなってしまったりすることもあります。一方で、予算を抑えれば品質が低下してしまうこともあるはずです。

それぞれのバランスに注目しましょう。業務改善計画を立てる前の段階でよく理解しておく必要があります。

意図を明確に伝える

業務改善は現場で働く従業員の協力なくして成り立ちません。ですが、そもそも何のために業務改善するのかわからないと、従業員からの同意や協力が得られなくなることもあるため、注意が必要です。

業務改善をする以上、これまで慣れ親しんできたやり方や考え方を変えなければならないことがあります。従業員からすると面倒に感じたり、やる気がなくなったりしてしまうこともあるでしょう。

これを防ぐためには、業務改善を行う意図を明確に伝えておくことが重要です。何のために行うのか、どういった効果が期待できるのかわかりやすく伝えておきましょう。

ポジティブに捉えてもらう

業務改善というと、従業員側にどうしても面倒だと思われてしまうことがあります。これをポジティブに捉えてもらうためには、「自分たちと非常に関係がある」、「メリットがある」と感じてもらうことが重要です。

例えば、業務改善を行っていくにあたり、従業員が不安に感じていることなどがないか、先に話を聞くと良いでしょう。

従業員によって抱えている不安は異なります。手順が難しくなるのではないか、作業負担が増えるのではないかなどの不安もあるでしょう。従業員が抱えている悩みや不安を知り、それを取り除いていくための工夫が必要です。

特に、以前行った業務改善が失敗してしまった場合などはネガティブな感情が生まれやすくなります。小さな改善から始めて成功体験を積み重ねてもらうなど、工夫していきましょう。

短期間での効果に期待しすぎない

業務改善でよくある失敗が、短期間で効果を期待しすぎたために、無理な取り組みを行ってしまうことです。特に大きな成果を期待するのであれば、それなりの時間を設定して業務改善に取り組んでいかなければなりません。

従業員の負担やストレスを大きくしないためにも、適切な目標を設定していきましょう。

また、業務改善の結果、残念ながら失敗に終わってしまった場合、考えていた目標が不適切だった可能性があります。この場合もすぐに成果が出ないと判断してやめてしまうのではなく、目標を見直したり、期間を延ばしたりして取り組んでみてください。

定着しやすいツールを使う

業務改善に役立つツールには、さまざまな種類があります。どれを導入するか考える際は、自社にとって定着しやすいと思われるものを選びましょう。

例えば、機能面では優れているものの操作性が難しく、扱える従業員が限定されてしまうようなものは業務改善に適していません。他にも、操作性や機能面では優れているもののランニングコストが高くついてしまい、継続できないようなケースもあります。

何かあったときはしっかりとサポートしてくれるようなツールを選んでおくことも重要です。

社内で業務改善を進めるのが難しい場合

業務改善について紹介しましたが、中には社内で実行するのは難しいと感じてしまった方もいるでしょう。そういった場合は、外部の力を借りるのがおすすめです。

フィンテックスでは、業務の見える化や体系整理につながる業務マニュアルの提案・作成を行っています。わかりやすいマニュアルを作成することは、業務改善をする上でも欠かせません。

業務改善のためにマニュアルを作成したいと考えているものの、マニュアル作成に関する知識などが不足している場合はぜひご相談ください。

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業務改善の進め方を事前に確認しておこう

いかがだったでしょうか。業務改善の基本的な進め方や、活用していきたいフレームワークについて解説しました。どういったポイントに注意しなければならないのかなどもご理解いただけたかと思います。

業務改善の一環としてマニュアルの作成を検討しているのであれば、フィンテックスまでご相談ください。これまで蓄積してきた専門的なノウハウをもとに、企業の課題解決に役立つようなマニュアル作成を提案しています。

監修者

監修者の写真

中丸 貴仁

企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)

<略歴>

フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。

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