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業務改善

業務改善には見える化が重要!実施するメリットや流れは?

業務改善にはさまざまな方法がありますが、どの方法を選択するにしても行わなければならないのが「見える化」です。しかし、「そもそも見える化とは?」「進め方がわからない」と感じている方もいるでしょう。

そこで、仕事における見える化に取り組んでいきたいと考えている方のため、概要や実施するメリット、進め方などを解説します。
この記事を読むことによって見える化の基本と、どのようなポイントに注意すれば良いかなどがわかるようになるので、ぜひご覧ください。

目次
仕事における見える化とは
見える化の目的
仕事の見える化を実施するメリット
見える化と業務改善を進める流れ
業務改善における見える化のポイント
業務改善のために見える化が必要

仕事における見える化とは

仕事における見える化とは何かというと、現在行われている業務の詳細を可視化することをいいます。

例えば、いつ、どこで、どの社員が、どういった仕事をしているのかなどを明確にし、把握します。

その際には、各業務で求められるスキルや経験なども可視化していくことが重要です。

仕事の見える化を行うことにより、業務内での無駄が見つかるほか、時間がかかっている工程、改善すべきポイントなども把握しやすくなります。企業として働き方改革や業務改善に取り組んでいきたいと考えている場合は、仕事の見える化から進めていくと良いでしょう。

見える化を行うことで、営業や事務など、さまざまな部署において業務改善しやすくなります。

見える化の目的

見える化を行う大きな目的は、業務上で起きている課題を把握し、業務改善や効率化につなげるためです。
「あえて見える化をしなくても、業務内容は把握できている」と感じている方もいるでしょう。ですが、業務内においてトラブルが起こりやすい、作業効率が悪いと感じる場合は、正しく可視化・把握できていない可能性が高いといえます。

近年は少子高齢化の影響を受け、多くの企業が人手不足に悩んでいる状況です。限られた人員で業務を行っていくためには、効率化に取り組んでいかなければなりません。

仕事の見える化を進めていくことにより、現在発生している業務内でのムリ・ムダ・ムラが課題として把握できるようになります。これらを把握し改善につなげていくことで労働者にとっての労働環境を改善できるほか、企業として利益拡大を目指すことも可能です。

仕事の見える化を実施するメリット

仕事の見える化に取り組むことにより、具体的にどういったメリットがあるのでしょうか。
ここでは、代表的なメリットを4つ解説します。見える化に取り組む重要性が見えてくるはずです。

メリット①適切な業務量が把握できる

見える化を行うことにより、各業務や従業員間ごとの業務量がわかります。これにより、従業員による業務量のばらつきが見えてくることもあるでしょう。

一部の従業員に負担が集中していることがわかった場合は、割り振りを検討していかなければなりません。また、明らかに従業員数に対して業務量が多いことがわかった場合は、人員を補充する必要も出てくるでしょう。

繁忙期がある企業では、時期によって適切な人員・人員数が異なります。そのため、仕事の見える化を行う際はそのときの状況だけを考慮するのではなく、将来的にどういった対応・変更が必要になるかも検討しましょう。
繁忙期ではない時期に見える化を行い適切な業務量を把握しておけば、それをベースとして調整しやすくなります。

メリット②業務の全体像を把握できる

仕事の見える化により、業務の全体像を把握することが可能です。部署のトップだけではなく、従業員がそれぞれ全体像を把握しておけば、部門を超えた相互理解にもつながるでしょう。

忙しい時期にはお互いをサポートする気持ちも生まれやすくなります。

また、自分が行っている業務は他のどの業務と関わり合いがあるのかを理解しておくと、何か問題が起こった際にどこに連絡を入れておけば良いのかなども把握可能です。

資料としてフローチャートを作り、業務の流れを従業員それぞれが把握できる状態にしておくと良いでしょう。

部署間での相互理解が進むことにより連携もとりやすくなります。コミュニケーションが活発化するようになれば、新商品・サービスに関することや、現在の業務をより良くしていくためのアイデアも生まれやすくなるはずです。

メリット③業務フローを見直せる

見える化を行うことで、業務フローの見直しができます。

例えば、見える化を行ったところ、実際には1度で良いはずの確認作業を2度行っていたことがわかったとしましょう。このようなケースでは、確認作業を1度に変更することで作業効率が改善します。

反対に、確認作業が1度しか行われていないためにミスが起こっている場合は、確認作業を2度に変更するといった工夫も検討しやすくなるでしょう。

業務改善では、業務内のムダやムリ、ムラといったものを見つけ、改善していくことが重要です。そのためにも業務フローを知る必要がありますが、見える化は業務フローを把握するためにも欠かせません。
省いてもいい業務やまとめられるもの、何らかの変更を加えることで改善できるポイントを探していきましょう。

メリット④社員を正当に評価しやすくなる

日々働いている社員のことを正当に評価するためにも、見える化が役立ちます。人事評価を正しく行いたいと考えている場合にも実施していきましょう。

職場によっては、管理者が独自の目線や主観で人事評価を行っているケースも珍しくありません。しかし、何を根拠に社員を評価しているのか明確でないと、評価の内容に不満を持つ社員が出てしまうことも考えられます。

仕事の見える化を行い、その結果をもとに人事評価を行えば、他の社員も納得しやすくなるでしょう。
これは、社員のやる気を向上させることにもつながります。自分がどういった働きをすることで評価されやすくなるのか把握できれば、目標も立てやすくなるはずです。

見える化と業務改善を進める流れ

では、具体的にどのような形で見える化を進めていくのか、全体の流れを確認しておきましょう。以下の5つのステップで行うことになります。

①業務の洗い出しと分析を行う

まず、担当者から話を聞くなどして業務の洗い出しから始めます。工程ごとに詳しく洗い出すのがポイントです。

どういったタスクが必要なのか、全体でどの程度の仕事量なのか、各作業にはどれだけ時間がかかっているのかなどを明確にします。これらの作業を、実施業務全体で同様に行っていきましょう。

こうすることで、業務全体の把握が可能です。

見える化といっても、まとめた情報をただ共有するだけでは業務改善効果は期待できません。

情報の収集が完了したら、集めた情報をもとに分析を行います。

仕事量や人員に対して適正な作業時間・リソースを設定できているか、重複しているために無駄になっている業務がないかなどを分析していきましょう。

②業務フローを作成する

続いて、具体的な業務フローを作成していきます。そもそも業務フローとは何かというと、業務の流れを視覚的にわかりやすく表現した流れ図のことです。

例えば、以下のような記号が使われます。

端子

「端子」は、業務フローの始まりと終わりにそれぞれ置く記号です。

処理

「処理」は処理や行動、工程、アクションなどの要素で使われる記号で、業務フローの中で最もよく使われるます。一つの記号に対し、一つの処理や行動などを記載します。

条件分岐

「条件分岐」は、「はい」「いいえ」や「ある」「なし」のように条件によってフローが変化する場合に用いる記号です。

線・矢印

「線・矢印」は記号同士をつなぐためのものです。時系列で進んでいく場合は矢印を用います。

他にもいくつかありますが、記号が増えすぎると分かりにくくなってしまうため注意が必要です。

業務フローを見れば該当の業務ができる程度までわかりやすく作りこんでおきましょう。

③業務内容やナレッジの見える化を行う

続けて行いたいのが、業務内容やナレッジなどの見える化です。細かい手順などを説明する必要があるため、業務マニュアルに情報を盛り込むことをおすすめします。
適正な形でマニュアルを作成し、必要に応じて更新しながら活用していきましょう。

そのマニュアルを見るだけで業務のすべてがわかる状態にしておくと、新人教育にも役立ちます。従業員によってスキル差がある場合も、それぞれが持つノウハウやスキルを共有することで全体のスキルアップが可能です。
優秀な従業員にヒアリングするなどして、効率的な業務につながるようなマニュアル作成を行っていきましょう。

特に属人化している業務がある場合、その人が退職するとナレッジが継承されず、失われてしまうことがあります。こういった事態を防ぐためにもマニュアルの作成が効果的です。

④複数の業務の改善を図る

業務改善する際は、1つではなく、複数の業務で改善に取り組んでいくとさらに効果的です。

業務内容によっては、複数の作業や従業員が複雑に関連しているものも少なくありません。その場合は、どこか一部分のみ業務改善したとしても根本的な問題の解決につなげることは難しくなります。

同時に業務改善が必要なものがあれば、並行して取り組んでいきましょう。

関連性のない課題などは、無理をして同時に改善を目指す必要はありません。あれもこれもと着手してしまうと中途半端な状態になってしまうこともあるので、先に業務改善の優先順位を明確にしておくのがポイントです。

また、業務の中には現在は複数に分けて行っているものの、まとめられるケースも考えられます。この場合は、ひとまとめにすることにより業務の効率化つながるでしょう。

⑤業務改善後に定期的に見直す

業務改善を行ったらそれで終わりとするのではなく、定期的に改善内容を見直すことも大切です。時間が経つと、また新たな課題が出てくることもあります。課題は放置せずに、適切なタイミングで繰り返し業務改善に取り組んでいきましょう。

マニュアルについても同様のことがいえます。例えば、作業内容が変わったにもかかわらずマニュアルを更新しなかった場合、作業する際にマニュアルを参考にできません。結果としてマニュアルは役に立たないものになり、マニュアル作成にかけた時間や労力が無駄になります。

小さな変更のたびにマニュアルを作り直す必要はありませんが、ある程度更新しなければならない内容が溜まった段階で取り組みましょう。新人の入社時期が決まっている場合などは、スケジュールを決めてマニュアル更新作業に取り組む必要があります。

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マニュアルとは何?概要や作成するメリットデメリットを紹介

業務改善における見える化のポイント

業務改善で見える化を進めていく際には、どういったことに注目すれば良いのでしょうか。ここでは3つのポイントを紹介します。

ポイント①目的を明確化する

見える化に取り組む前に目的を定めておきましょう。

「業務効率を改善する」など、見える化する目的を明確にしておくことが重要です。

業務改善では現場で働く従業員にも協力してもらわなければなりません。

しかし、何のために業務改善や見える化を行うのか伝わっていなければ、積極性を持って取り組んでもらえない可能性があります。

従業員が、自分にも関係があってメリットがあるとわかっていれば、自分事として取り組んでくれるはずです。

また、目的を達成するために、具体的な目標を定めると良いでしょう。目標を定めておくと、どのような形で見える化や業務改善を進めていけば良いのか判断しやすくなります。

目標を定める際は「○%にする」「○日短縮する」など、具体的な数字を使うとわかりやすいです。

関連記事
業務改善の目的とは?目標設定の流れと確認しておくべきポイント

ポイント②ツールを活用する

例えば、従業員が使用しているパソコンに操作ログの収集ができるようなソフトウェアをインストールことで、業務時間中に従業員がどのような作業を行っているのか把握できるツールがあります。

収集したデータはグラフ化して可視化したり、ログのデータ分析を行ったりすることで従業員がどのような業務を行っているのか、何に時間を取られているのかなどを把握可能です。

パソコンに向かって行う業務は本人しか行っている作業内容がわからず、改善が必要な点があったとしても周囲が気づくのは難しくなってしまいます。業務の可視化ツールを導入することでパソコン業務の詳細を把握することが可能です。

プライバシー面で不安を感じる従業員がいることも考えられるので、収集される情報や目的についてはわかりやすく説明しておくと良いでしょう。

ポイント③フローチャートやガントチャートを作成する

見える化する際には、フローチャートやガントチャートを用いると業務の流れや工程の数・期間、他部署とのやり取りなど、業務の詳細がわかりやすくなります。

フローチャートとは、各種手順やシステムの動作といったものをわかりやすく視覚的に示したダイアグラムのことです。各作業を図形で表し、それらを矢印で結びます。

また、ガントチャートとは計画表や進行表、工程表などとも呼ばれるものです。棒グラフを用いて進捗や締め切りをわかりやすく表示できます。

ExcelやGoogleスプレッドシートを使用して一から作る方法もありますが、作成には時間がかかってしまいます。Web上では便利なテンプレートやツールが提供されているので、活用してみてはいかがでしょうか。
参照:Microsoftテンプレート

特に進捗管理に役立つガントチャートは定期的に更新する必要が出てくるので、更新しやすいテンプレートやツールを採用することも重要です。

業務改善のために見える化が必要

いかがだったでしょうか。業務改善のために必須ともいえる見える化について解説しました。必要性や実践する際の流れ、ポイントなどをご理解いただけたかと思います。

どのような形で業務改善に取り組んでいくためにも見える化は欠かせません。

特に業務内容の見える化を行う際には、マニュアルが役立ちます。その際には、本当に活用しやすいマニュアルを作成していかなければなりません。

フィンテックスでは、企業が抱える業務課題に寄り添ったマニュアルコンサルティングに対応しています。業務マニュアルを作成する前の、業務棚卸、業務の見える化、業務の体系整理にも対応していますので、お悩みの際にはぜひご相談ください。

監修者

監修者の写真

中丸 貴仁

企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)

<略歴>

フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。

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