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業務改善

看護の現場において業務改善が必要な理由と実践していきたいポイント

近年さまざまな業界において業務改善の必要性が訴えられており、看護の現場も同様のことが言えます。業務改善に取り組むことで働きやすい環境作りができれば、現場で働きやすくなるのはもちろんのこと、患者さんへの対応の質も上がるでしょう。

そこで、看護など医療の現場で業務改善に取り組んでいきたいと考えている方のため、注目したいポイントや効果的な業務改善方法などを解説します。
この記事を読むことで実践するメリットや導入を検討したいツールなどもわかるようになるので、ぜひご覧ください。

マニュアル作成のコツ

目次
医療現場で業務改善が必要な理由
医療現場における業務改善方法
医療現場で業務改善に取り組むことのメリット
医療現場で業務を改善する際に役立つツール
看護現場でも業務改善が求められている

医療現場で業務改善が必要な理由

なぜ医療現場では業務改善に取り組んでいくべきなのでしょうか。これには、主に次の3つの理由があります。

看護師の業務量の増加

医療の現場では、看護師1人当たりの業務量が増加しており、大きな負担となっています。場合によっては残業や休日出勤にも対応しなければならず、身体的な負担だけではなく、ストレスを感じてしまうこともあるでしょう。

こういったことが続けば仕事を継続するのが難しくなり、退職を検討してしまう看護師が出ることも考えられます。

しかし、業務改善に取り組むことでこれまで以上に効率良く業務を進めることが可能です。1人当たりの負担も小さくなっていくので、心身ともに疲労を感じることが少なくなり、健康的に働けるようになるでしょう。
看護師の仕事は重労働であるため、一人ひとりの負担を抑えるためにも業務改善は必要です。

深刻な人手不足

看護師の業務量が増加している背景にあるのが、医療業界における深刻な人手不足です。有効求人倍率も高く、どの病院でも看護師不足の状況に陥っています。
業務量が多くてもそれに対応できるだけの人数がいれば良いのですが、新規獲得の競争率が高いことから採用活動も難しく、なかなか十分な人手を確保できていない状態です。

忙しさにより1人当たりの負担が大きくなりすぎると、離職にもつながります。するとさらに人手が少なくなるといった負のループが起こっている状態です。
人手不足を解消できない現状を乗り越えるためにも、業務改善によって業務の効率化につなげていきましょう。看護師の負担を抑えることにもつながります。

ワークライフバランスの乱れ

十分な人手を確保できない現在の状況では、ワークライフバランスを充実させるのは不可能と言えます。本来であれば私生活に重点を置きたいものの、仕事が忙しいため、仕事中心の生活になっている方が多い状況です。

これは、看護師の多くが24時間365日稼働する職場で働いているため、不規則な勤務になりやすいことが大きな理由です。人手不足と不規則な勤務により、ワークライフバランスが乱れやすくなってしまいます。
業務改善に取り組むことにより、少しでも理想的なワークライフバランスに近づけるよう、取り組むことが求められています。

実際に業務改善で業務の効率化を実現すれば、少しずつワークライフバランスは整っていくものと考えられます。

医療現場における業務改善方法

看護師が働く医療現場で業務改善をしていきたいと考えた際、どのような方法があるのでしょうか。ここでは、効果的な方法を5つ解説していきます。
実践可能なものから取り組むことを検討しましょう。

業務を可視化する

はじめから業務改善に取り組もうとしても、どこに問題があるのかわからなければ何をすれば良いか判断できません。そこで、早い段階で行っておきたいのが業務の可視化です。
業務を可視化しなければ、どこに問題があるのかを把握することはできません。

現在行っている業務の中でも特に負担が大きくなっているのはどこで、それは誰が担当しているのか可視化すると効果的です。
また、特に業務が忙しくなる時間帯も可視化しておきましょう。業務の可視化を行うことにより、滞りやすい部分や、特に負担が集中している看護師が誰なのかがわかりやすくなります。

業務内容を精査する

現在行っている業務を可視化したら、それを精査していきましょう。実際に働いている看護師に話を聞き、どのような点で困っているのか、どの作業に時間がかかっているのかを詳しく調べます。

もし、同じ業務であっても担当者によってかかる時間に差がある場合は、その原因も考えていかなければなりません。例えば、ムダが発生しているために業務が滞っているようなケースもあります。
目的が不明確な作業や、効率化が可能な作業がある場合は、それらを見直す必要があります。

現場を理解している看護師から「ここはこのようにしたほうが良い」という意見を募るのも効果的です。

業務マニュアルを作成する

業務内容を精査し、改善すべきポイントがわかったら、具体的な改善策について書かれた業務マニュアルの作成を行いましょう。
現在すでに業務マニュアルが用意されている場合でも、活用されていない場合は中身の見直しが必要です。

近年、看護師の仕事内容が増加しているため、数年前に作られた業務マニュアルでは役立たない可能性があります。業務マニュアルを作成する際は、単純に現在の業務をまとめるのではなく、業務の見直しを行い、効率良く業務を進めるためのマニュアルを作成することが重要です。
マニュアルを作っておくと、新しくその業務を担当することになった人でも具体的に何をすれば良いかわかりやすくなるため、作業品質の向上・均質化にもつながります。

情報共有を徹底する

徹底して行いたいのが、情報共有です。情報共有が不十分だと、何度も確認作業を行ったり、複数のスタッフに同じ情報を伝えたりする必要があり、大きな手間につながります。
日常的にこのような状態になっていると、これが問題であることにすら気づけません。

効率良く情報共有を行うためのツールなどを活用しながらスムーズに情報共有できる状況を整えていきましょう。適切な形で情報共有を行うことは、それぞれの看護師が患者さんの最新情報などを得ることにもつながります。
情報共有が不十分だと患者さんの安全を脅かす可能性があるため、十分注意しなければなりません。

DX化を推し進める

DX化とは、デジタル技術を活用することによってより良い価値を提供することをいいます。看護師が働く医療現場でもDX化が求められます。

例えば、ペーパーレスに取り組んで紙媒体よりも管理しやすい電子カルテの形でカルテを管理するのもDX化の一つです。紙媒体を管理する際に発生するコストや手間を抑えることにもつながります。

また、オンラインやタブレットで事前に問診票を記入してもらえるシステムを導入したり、オンラインで管理可能な診療予約システムを導入したりする方法も効果的です。
DX化に取り組むことで、これまで看護師が手作業で行っていた業務を削減できるため、業務改善につながります。

医療現場で業務改善に取り組むことのメリット

医療現場で業務改善を行うためには、そのメリットを一人ひとりが理解し、協力して実践する必要があります。主なメリットを確認しておきましょう。

メリット①看護師の負担を軽減できる

業務改善によって看護師の負担を軽減できる点は、大きなメリットです。業務改善とは、現在時間のかかる業務を効率化したり、不要な業務を削減または統合したりすることで、効率的に働ける環境を整えることを指します。

現状では、一人ひとりの疲労が蓄積し、限界に近い状態で業務を行っているケースもあるでしょう。このような状況になってしまうと突発的に発生した業務に対応する余裕がなく、ミスを引き起こしてしまうような恐れもあります。
日々の負担を軽減するためにも業務改善を行い、余裕を持って業務に取り組める環境を整えましょう。

メリット②人件費の削減につながる

看護師は人手不足の問題から日々忙しく働いていることもあり、人件費の削減は難しいのではないかと感じてしまうこともあります。
しかし、業務の効率化を進めることで、それまでかかっていた人件費を削減する効果が期待できます。

特に人件費の中でも大きな割合を占めるのが、残業代や休日出勤手当です。人手不足のため残業や休日出勤が必要なケースもありますが、業務効率化により効率的な業務が可能になれば改善が期待されます。

例えば、これまで手作業で行っていて時間のかかる業務をデジタル化して短時間でできるようになれば、人件費の節約にもつながるでしょう。

メリット③業務の質が向上する

業務改善によって看護師の負担が軽減されるようになれば、精神的にも時間的にも余裕ができるようになり、業務の質向上が期待されます。
看護業務の質が上がれば、患者さんの満足度にもつながります。

これまで以上に患者さんのケアに時間を割けるようになれば、やりがいも感じられるはずです。
時間や人手が不足している状況では、患者さんに適切なケアを行うことは難しくなります。業務改善によって看護業務に力を入れられるようになれば、患者さんの変化にもいち早く気づけるようになります。

医療現場で業務を改善する際に役立つツール

現状を変えることなく、努力や工夫だけで業務改善につなげるのは難しいことです。そこで、医療現場で業務を改善するのに役立つツールの導入をおすすめします。
特に以下の4つは業務効率を大幅に改善させる効果が期待できます。

オンライン予約システム

オンライン予約システムとは、受付や電話ではなく、インターネットを通して予約を受け付ける方法です。窓口対応として、予約関連の細かい対応が負担になってしまうこともあります。
オンライン予約システムを導入すれば受付や電話での対応頻度を抑えられるようになるので、その分、他の業務に時間を割くことが可能です。また、患者さんの中には電話で予約するのが面倒と感じている方もいるので、そういった方にとってのメリットにもつながります。

患者が自身の予約日を確認できるシステムを導入しておけば、いつ予約を取ったのか確認のための問い合わせを減らすことができます。

電子カルテ

近年は多くの病院で紙媒体ではなく、電子カルテを導入することが増えてきました。紙媒体だと書類を保管するスペースが必要になるだけではなく、必要になった情報がどこにあるのか探すのに時間がかかってしまうこともあります。
場合によっては紛失のリスクもあるでしょう。

しかし、電子カルテを導入すれば置き場所に困ることもなく、必要な情報をすぐに検索できます。

電子カルテシステムを導入する際には、使いやすいものを選ぶことが重要です。導入したものの使いにくいとなると、なかなか普及しません。直感的に操作可能なものや、テンプレートや定型文の登録機能が備わっているものは使いやすいと言えるでしょう。

看護記録システム

看護記録システムとは、一人ひとりの患者さんについて病状の経過やどのような看護行為を実施したのかといった看護記録を管理するためのシステムです。

現在は紙で看護記録を行っている現場もあるのではないでしょうか。ですが、紙の場合は管理の手間がかかります。また、最新の情報が共有されないこともありますが、看護記録システムを利用すればそのようなこともありません。
業務の効率化を目指している場合も看護記録システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

導入する看護記録システムによって搭載されている機能は異なりますが、利用者の情報管理機能以外にも、看護指示の作成に必要な看護計画の作成機能、職員のスケジュール管理機能などが搭載されているものもあります。

ベッドセンサー

ベッドから起き上がった時にそれを知らせる圧力センサーなどのベッドセンサーは、患者さんの徘徊や転倒といったリスクに迅速に対応するために欠かせない設備です。こういったシステムを導入していない場合は、看護師が定期的に巡回して確認するしかないため、そのための人件費や手間もかかってしまうでしょう。

巡回業務が看護師にとって大きな負担となり、離職の原因となることもあります。まだ導入していない場合は、ベッドセンサーの導入についても検討してみてはいかがでしょうか。

看護現場でも業務改善が求められている

いかがだったでしょうか。看護の現場で抱えている問題や医療現場における業務改善方法、導入を検討したいツールなどについて解説しました。人手不足に悩んでいる現場においては、早急に対応が必要です。
業務改善はマニュアルを作成しながら進めることが推奨されます。ただマニュアルを作れば良いわけではなく、本当に現場で役に立つマニュアルを作成することが大切です。

フィンテックスでは、これまでにさまざまな業務マニュアルを作成しており、お客様の状況やご要望に応じて柔軟に対応しています。人手不足のためにマニュアル作成まで手が回らないといった状況に悩んでいる方も、ぜひご相談ください。

つい読んでしまうマニュアル作成のリーディングカンパニー、株式会社フィンテックス

監修者

監修者の写真

中丸 貴仁

企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)

<略歴>

フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。

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