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企業の信頼を守る!コンプライアンスマニュアルの基本と作成手順

企業が社会的信用を維持し、持続的に成長していくためには、法令や社内ルールを遵守するコンプライアンス意識の徹底が不可欠です。コンプライアンス違反は、法的リスクや企業の信用低下、従業員の士気低下などにつながり、企業経営に大きな影響を及ぼします。

そこで重要になるのが「コンプライアンスマニュアル」です。コンプライアンスマニュアルは、企業が遵守すべき法令や行動規範を明文化し、従業員が適切な判断を行えるようにするためのガイドラインです。

本記事では、コンプライアンスマニュアルの基本的な役割や必要性を説明するとともに、作成の手順や運用のポイントについて詳しく解説します。

コンプライアンスを組織文化として根付かせ、企業の信頼を守るために何ができるのかを考えるきっかけになれば幸いです。

マニュアル作成のコツ

目次
コンプライアンスマニュアルとは?
コンプライアンスマニュアル作成の基本ステップ
コンプライアンスマニュアルの運用と管理
コンプライアンスを強化するためのポイント
まとめ

コンプライアンスマニュアルとは?

ここでは、コンプライアンスの基本的な意味、マニュアルの役割と必要性について解説します。

コンプライアンスの基本的な意味

コンプライアンスとは、法律や社内ルールを遵守し、適切な行動をとることを指します。単に法律を守るだけでなく、企業倫理や社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)を果たすことも含まれます。

コンプライアンスの主な領域具体例
法令遵守労働基準法、個人情報保護法、独占禁止法など
企業倫理顧客対応の適正化、不正会計の防止
社会的責任(CSR環境保護、ハラスメント防止、人権尊重

コンプライアンスマニュアルの役割

コンプライアンスマニュアルは、以下のような役割を持ちます。

  • ルールの明確化
    法令や社内ルールを整理し、わかりやすく従業員に伝えることで、適切な判断ができるようになります。
  • リスクの未然防止
    不正や法令違反を防ぎ、企業の健全な運営を支援します。
  • 企業文化の醸成
    コンプライアンスを「守るべきルール」ではなく、企業文化の一部として根付かせることができます。

なぜ企業にコンプライアンスマニュアルが必要なのか?

コンプライアンスマニュアルがない場合、企業はさまざまなリスクに直面することになります。

コンプライアンス違反によるリスク:

リスク影響
法令違反企業が罰則を受け、信頼を失う可能性が高まる
企業の信用低下顧客・取引先からの信用が損なわれる
社内不正の発生不正会計、情報漏洩、ハラスメントが増加する
従業員のモラル低下職場環境が悪化し、離職率が上昇する

コンプライアンスマニュアル作成の基本ステップ

本章では、マニュアル作成の基本的なステップを解説します。

Step 1:コンプライアンスリスクの洗い出し

まず、企業が直面するコンプライアンスリスクを明確にすることから始めます。業界や業務内容によって、リスクの種類は異なります。

以下のような手法を活用し、リスクを整理しましょう。

リスクを洗い出すための方法:

手法内容
法令の確認自社に適用される法律や規制を確認する
過去の事例分析過去に発生したコンプライアンス違反を参考にする
従業員ヒアリング現場でのリスクを把握するために従業員からの意見を収集する
外部コンサルタントの活用法務専門家やコンサルタントの知見を活かす

Step 2:ルールの明文化と具体的な行動指針の設定

リスクを洗い出したら、そのリスクを回避するためのルールや行動指針を明確にする必要があります。ただし、難解な法律用語を並べるだけではなく、具体的な業務に即したわかりやすい内容にすることが大切です。

ルール設定のポイント:

  • 明確でシンプルな表現を使う
  • 具体的な行動例を示す
    例:「機密情報の取り扱いに注意する」→「社外に持ち出す場合は上長の許可を得る」
  • ケーススタディを活用する
    実際に起こり得る場面を想定し、「〇〇の場合、△△と対応する」という形で具体化する。

Step 3:マニュアル構成の決定

コンプライアンスマニュアルの構成が整理されていないと、必要な情報が探しにくくなり、活用されにくいものになってしまいます。以下のような構成を意識して作成しましょう。

一般的なコンプライアンスマニュアルの構成:

内容
1.コンプライアンスとは?コンプライアンスの基本的な考え方、目的
2.適用範囲マニュアルの対象者(全社員・パート・アルバイトなど)
3.行動指針守るべきルールと行動基準(例:情報管理、ハラスメント防止)
4.違反時の対応違反が発生した際の報告方法、処分の内容
5.相談・通報窓口社内の相談窓口やホットラインの設置
6.更新・運用ルールマニュアルの定期的な見直し、改定の手順

Step 4:社員への周知・実践

コンプライアンスマニュアルは、作成するだけでは意味がありません。

従業員が実際に活用できるよう、社内に浸透させる仕組みが重要です。具体的な仕組みについて、次章以降で解説します。

コンプライアンスマニュアルの運用と管理

コンプライアンスマニュアルは、作成するだけでなく実際に運用し、定期的に見直していくことが重要です。本章では、マニュアルの効果的な運用方法や管理のポイントを解説します。

社内研修や教育プログラムの活用

コンプライアンスマニュアルを社内で浸透させるためには、研修や教育プログラムが不可欠です。従業員が内容を正しく理解し、実践できるようにするための工夫を紹介します。

研修の主な種類と目的:

研修の種類目的・内容対象者
新入社員研修コンプライアンスの基本を学ぶ新入社員
管理職研修部下への指導方法や違反時の対応管理職
実践型ワークショップケーススタディを通じた対応訓練全社員
eラーニングいつでも学べるオンライン学習全社員

研修では、実際に起こりうる事例を用いて具体的な対応策を学ぶのが効果的です。また、定期的に理解度テストを実施し、社員の知識レベルを把握することも大切です。

定期的な見直しと更新の必要性

コンプライアンスに関する法律や企業の業務環境は、常に変化します。そのため、マニュアルも定期的に見直し、最新の情報に更新することが必要です。

マニュアルの更新頻度とチェックポイント:

更新頻度チェック項目
年に1回企業の業務内容の変化に対応できているか
法改正のたび最新の法令や規制に適合しているか
トラブル発生時過去のコンプライアンス違反の事例を反映しているか

また、従業員からのフィードバックを取り入れ、実際の業務で使いやすい内容に改善することも重要です。

運用上の課題と改善策

コンプライアンスマニュアルが適切に運用されるためには、形骸化を防ぐ工夫が必要です。よくある課題とその改善策を整理しました。

よくある課題と解決策:

課題改善策
マニュアルが読まれない必要なときにすぐアクセスできるデジタル版を用意
ルールが難しく理解されにくい図解やフローチャートを活用し、視覚的に説明
実際の業務に適用しづらい具体的な事例やケーススタディの追加
ルールが守られていない定期的なテストやチェックリストを導入

マニュアルは運用してこそ意味があるものです。社内全体で「実際に活用する」という意識を持ち、必要に応じて柔軟に改善していくことが重要です。

コンプライアンスを強化するためのポイント

コンプライアンスマニュアルを作成し、運用するだけでは十分ではありません。社内全体でコンプライアンス意識を高め、実際に行動へと繋げるための仕組みを整えることが重要です。

本章では、企業がコンプライアンスを強化するためのポイントを紹介します。

企業文化としてのコンプライアンス意識の醸成

コンプライアンスを単なるルールではなく、企業文化として根付かせることが大切です。
そのためには、従業員一人ひとりが自主的にコンプライアンスを意識できる環境を整える必要があります。

コンプライアンス意識を高めるための施策:

施策具体的な方法
社内での啓発活動ポスター掲示、社内報での特集記事
日常的なコンプライアンス教育定期的な勉強会、eラーニングの導入
従業員の意見を反映する仕組みアンケート調査、定期的な意見交換会の実施
コンプライアンス優秀者の表彰制度社内で模範となる行動を評価し、表彰

これらの施策を実施することで、「やらされる」コンプライアンスではなく、自発的に取り組む文化を育てることができます。

相談窓口やホットラインの設置

社内でコンプライアンス違反を未然に防ぐためには、従業員が気軽に相談できる窓口や内部通報制度を整備することが重要です。

ホットライン設置のポイント:

  • 匿名で相談できる仕組みを整える
    相談者が不利益を受けないよう、匿名での通報を可能にする。
  • 複数の相談窓口を設置する
    人事部、外部の専門機関、オンライン相談フォームなど、複数の選択肢を用意する。
  • 迅速かつ適切に対応する体制を作る
    相談後の対応プロセスを明確にし、必要に応じて適切な処置を講じる。

ホットラインを設置することで、違反行為の早期発見や企業の信頼向上に繋がります。

経営層の積極的な関与の重要性

コンプライアンスを企業全体に浸透させるためには、経営層が率先して取り組むことが不可欠です。経営陣がコンプライアンスの重要性を理解し、具体的な行動を示すことで、従業員の意識も高まります。

経営層が果たすべき役割:

役割具体的な行動
模範となる行動を示すルールを守る姿勢を従業員に示す
積極的なメッセージ発信社内イベントやメッセージ動画で方針を共有する
コンプライアンス研修への参加経営陣も研修を受講し、理解を深める
コンプライアンス違反への厳格な対応例外を作らず、公平にルールを適用する

経営層が主体的に関わることで、「コンプライアンスは企業の重要な基盤である」という意識が社内全体に広がり、長期的な定着が可能になります。

まとめ

いかがでしたか。コンプライアンスマニュアルは企業の信頼性を向上させ、リスクを最小限に抑える重要なツールです。しかし、単なる文書として存在するだけでは意味がなく、企業文化の一部として根付かせることが求められます。

フィンテックスでは、お客様の実態に合わせたコンプライアンスマニュアルの作成をサポートしています。「自社に合ったマニュアルを作りたい」「現行のマニュアルを見直したい」という方は、ぜひ当社にご相談ください。

マニュアル作成のコツ

監修者

監修者の写真

中丸 貴仁

企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)

<略歴>

フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。
月刊エコノミスト・ビジネスクロニクルで取材していただきました。ぜひご覧ください。
https://business-chronicle.com/person/fintecs.php

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