マニュアルアカデミー
現在、業務の進め方や業務内容に問題があると感じているのであれば、業務改善について検討してみると良いでしょう。ですが、具体的に何をすれば良いのかわからないと悩んでいる方もいるはずです。
そこで、業務改善に取り組みたいと考えている方のため、効果的な方法などを紹介します。本記事を読むことで実践しやすい業務改善の方法が見つかるほか、業務改善を成功に導くポイントなどもわかるようになるので、ぜひ参考にしてください。
目次
業務改善について
業務改善の目的と効果とは
業務改善をするメリット
業務改善の効果的な進め方
業務改善を成功に導くアイデア13選
業務改善を成功に導くポイント
必要な業務改善を繰り返し行おう
業務改善とは、現在の業務内容やプロセスといったものを振り返ったり見直したりすることにより、問題の解決を目指すことをいいます。
業務改善により生産性が向上するだけではなく、従業員一人ひとりの負担が小さくなり、働きやすい環境づくりを目指していくことが可能です。
近年日本では少子高齢化の問題が騒がれており、今後もこの状況が進行していくと予想されています。将来的にみて今よりもさらに働き手不足が加速していくと予想されているので、業務改善による生産性の向上はどの企業にとっても求められているといえるでしょう。
その時々で求められる業務も時代の変化によって変わってくるので、絶えず業務プロセスの見直しが必要です。
関連記事
「業務改善とは?実施方法や役に立つおすすめのフレームワーク」
業務改善を行う大きな目的は、現在行っている無駄な作業を極力減らし、仕事の効率化を目指すことにあります。
新たな人材の採用が難しい状況が続いていることもあり、働き手が不足していると感じているのであれば、新規採用以外の手段を検討しなければなりません。
その一つが業務改善による仕事の効率化です。
生産性を高める効果が期待できるため、少ない人数でも利益を確保しやすくなるでしょう。
また、働き方改革の点から見ても業務改善は重要な意味を持っています。
業務改善によって従業員が働きやすい環境づくりができれば、優秀な人材の採用につなげることも可能です。
結果として企業価値を高め、さらなる顧客の獲得や顧客満足度の向上も目指すことができます。
関連記事
「業務改善の目的とは?目標設定の流れと確認しておくべきポイント」
業務改善の概要がわかったところで、どのようなメリットがあるのかも確認しておきましょう。代表的なメリットは以下の3つです。
業務改善によりこれまで発生していた無駄な作業がカットされるようになるので、その分時間に余裕ができます。これは、残業が少なくなることを意味しているので、人件費の削減につながるでしょう。
人件費を削減しようと思っても、そのために商品やサービスの品質が低下しては意味がありません。ですが、業務改善で業務を効率化させたことによって人件費の削減、時間的な余裕が生まれた結果「利益率の向上」「新商品・サービスの考案や売上アップ」につながります。
業務の効率化につながるような業務改善ができれば、職場環境の改善が可能です。業務効率が悪いと従業員の負担が大きくなってしまいますが、そういった問題が解決するので、従業員のストレス対策にもつながるでしょう。
職場環境に不満を抱えて転職を検討する方も少なくありません。特に人手不足が問題となっている企業では、今いる人材を一人でも減らさないように取り組んで行く必要があります。
業務改善を行うことは従業員のモチベーションアップにもつながるため、離職を防ぐ効果があります。
従業員のワーク・ライフ・バランス推進に取り組みたいと考えている企業もぜひ実践していきましょう。
業務改善により、これまでは時間をかけて行っていた業務が短時間で完了するようになり、生産性の向上が期待できます。長年当たり前のように行っていた作業の中にも、見直しによって効率化が図れるものは少なくありません。
そういったものを多く見つけ出し、業務改善と生産性の向上につなげていきましょう。
また、職場環境の改善ができるのも生産性の向上につながる理由の一つです。従業員のモチベーションが向上するだけではなく、無駄な作業が減ったことによるストレスの軽減効果などにより、生産性の向上が期待できるようになります。
業務改善はとりあえず始めてしまうのではなく、具体的な進め方を検討したうえで取り組んでいくことにより、効果を発揮します。
ここでは、業務改善の効果的な進め方を4つ紹介します。
まず行っておきたいのが、現在実践している業務内容の確認です。各業務に係る工程を詳しく洗いだして、整理しておきましょう。
確認してみると、想像以上に時間がかかっている業務が見えてきます。また、エラーやトラブルが頻発している部分があれば、それらも特定しておきましょう。
自社にとっての具体的な課題を探していきます。
例えば、工程が重複している部分はないでしょうか。他にも、業務が属人化していて担当者不在の日に業務が滞っていたり、予定よりも時間がかかりすぎている業務があったりする場合は、これらが課題になるはずです。
ただ、部署や役職などによっても課題と感じている部分が異なるので、従業員にヒアリングするなどしてより具体的な課題を見つけていく必要があります。
複数の従業員から話を聞くことにより、一人で考えるだけでは見つからないような課題の可視化につながるでしょう。
課題を見つけたら、それを改善するためにどうすれば良いかも考えなければなりません。いつまでにどういった形で取り組んでいくのか、目標とする部分や改善すべき業務の内容を明確にしておきましょう。
ゴールの内容と期間を定めておくことにより、それまでのステップを考えやすくなります。
実際に取り組んでみると思いのほか時間がかかることもあるので、必ずスケジュール通りに進むとは限りません。ですが、いつまでにどういった準備が必要なのか、どのように取り組んでいくのかなどの段取りは明確に決めておくことをおすすめします。
具体的な内容が決まったら、実際に改善施策を運用していきましょう。業務改善は、一筋縄でいくものではありません。
改善のために変更したポイントがうまくいかず、逆効果になってしまうこともあります。
そのため、改善施策を行ってみてうまくいかなかった場合は、再度見直しが必要です。
初めから完璧に検討したうえで取り組んでいこうと考えると実施までに時間がかかるので、ある程度形になったらまずは一度改善施策を実施し、そこから見直すべきポイントを絞り込んでいくと良いでしょう。
また、PDCAサイクルを回すことでより良い形に仕上げていくことができます。
改善施策を実践しただけで満足してしまうと、どの程度業務改善ができたのかわかりません。具体的な効果の確認も忘れずに行ってみてください。
実際に業務改善を成功に導くためには、どのようなことを行えば良いのでしょうか。
ここでは、アイデアや具体例を13種類紹介していきます。すべて行うのが難しい場合にも、できるものから取り入れてみてください。
業務マニュアルがあれば、新入社員はわからないことがあったときに先輩や上司に確認しなくてもマニュアルを見れば問題を解決できるようになるでしょう。
特に指導係が不足している企業においては、大きな業務改善につながりやすいポイントです。
マニュアルは、利用する人にとってわかりやすい言葉でまとめましょう。図やイラストなども適度に活用することで見やすいマニュアルに仕上がります。
また、業務マニュアルを作成する際は現在行っている業務の洗い出しをすることになりますが、この際に無駄な業務や作業に気づけるケースも多いです。
業務全体の流れを把握できていない従業員がいると、業務が滞ってしまうことがあります。
これを改善するため、業務のフローチャートを作成するのもおすすめです。
フローチャートがあると業務の流れが可視化できるようになるため、業務に関わる全員が全体の流れを把握できます。フロー化する中で、無駄な業務が見つかることも珍しくありません。
そういったものをより多く見つけて業務改善につなげていきましょう。
フローチャート作成時は各業務の流れだけではなく、1日、1週間、1か月単位で、それぞれどういった業務があるのかまとめておくことも重要です。可能であれば、業務マニュアルを作成する際は業務フローチャートに沿ったものを意識すると良いでしょう。
先にフローチャートを作成しておくと、どういったマニュアルが必要かもわかりやすくなります。
重要な業務を確認し、優先順位をつけていきます。具体例としては作業に時間がかかるものから取り組むのがポイントです。特に簡単な業務に関しては、優先順位が高い業務の隙間時間を活用して取り組んでみると良いでしょう。
そのためには、各施策でどの程度時間がかかりそうか明らかにしておく必要があります。
重要な業務を確認し、優先順位をつけていきます。
現在の担当者がその業務に不向きであると判断できる場合は、担当者を変更するのも一つのアイデアです。こういったものは担当者本人も苦手と感じているケースが多く、ストレスを溜め込んでいる可能性があります。
具体例としては、多くの人と交流しなければならない部署の担当者としてコミュニケーションが苦手な人を置くのは適していません。誰にでも向き不向きがあるので、適正な担当者を選ぶことが重要です。
現在行っている業務を洗い出し、不要なものは削減していきましょう。
例えば、昔から当たり前のように行っている業務の中には、簡単な工夫で大幅な時間削減につながったり、そもそもその業務自体の必要性が曖昧になったりしているものもあります。
特に長年にわたって同じ人が担当している業務は、本人もそれが無駄であることに気づけていないケースが珍しくありません。不要な業務の洗い出しを行うためには、他の部署の担当者なども交えて見直しを行っていきましょう。
人の手で行う必要がない簡単な作業は「RPA(Robotic Process Automation)」と呼ばれるソフトウェア形のロボットに任せてしまうのも一つのアイデアです。
特に、日常的に繰り返し行うが同じ作業はRPAが得意とするところなので、こういった業務は、RPAを導入することで業務改善につなげられないか考えてみてください。
定型作業の自動化ができれば本当に人材を必要としているところに配置し、効率的な業務につなげることが可能です。
AIや機械学習を活用するため、具体例として請求書の作成や電話・メールの対応、在庫管理、発注業務などを任せることもできます。ただし、導入するRPAによってできること、得意なことが異なるので、自社に適しているものを導入しましょう。
契約書など、現在紙ベースで作っている文書を電子化するのもおすすめのアイデアです。電子化することで、書類を印刷したり、ハンコを押したりする手間も省けます。
特にテレワークに力を入れたいと考えている場合は、可能な範囲で電子化に取り組んでいくと良いでしょう。
各種ITツールやシステムで導入できるものがあれば、積極的に取り入れていくのがおすすめです。
例えば、情報共有が可能なシステムを導入することで各自の業務進捗などが分かるようになるので、業務効率アップが期待できます。ただし、導入する際は自社に本当に必要なのか確認したうえで取り入れていくようにしましょう。
個人やチームで作業時間の計測や管理をするのに役立つソフトウェアとして、タイムトラッキングツールと呼ばれるものがあります。こういったツールを活用することにより、作業の効率化や生産性の向上が期待できるでしょう。
業務にどの程度の時間がかかったか把握できるようになるため、改善点もわかりやすくなります。
社内で情報の共有がうまくいかないと業務が滞ってしまうことがあります。そこで、クラウドでの情報共有を実践してみてはいかがでしょうか。
クラウド上で情報共有をすれば、パソコンだけではなく、スマートフォンやタブレットなどからもアクセス可能です。リアルタイムで情報の共有・更新ができるため、自分以外の業務を把握するのにも役立ちます。
改善に時間がかかり、かつ外部企業へアウトソースできるものは、積極的にアウトソーシングしてみるのも良いでしょう。
業務効率だけでなく、コストパフォーマンスの向上につながることもあります。
従業員がコア業務に専念できるようになるのもポイントです。どの業者に対してアウトソーシングを依頼するのかは慎重な検討が必要になります。
従業員がそれぞれスキルを向上させることにより、業務改善につながります。そのためには、人材育成やスキルアップにつながるような教育プログラムの導入も検討してみてはいかがでしょうか。
一人ひとりに向上心を持ってもらう必要が出てくるので、資格取得をサポートしたり、スキルアップ向上につながるセミナーを開催したりするのもおすすめです。
多能工化やジョブローテーションによって、業務の負荷を分散させることができれば、業務の効率化が期待できます。
業務の内容によってはリモートワークで対応できるものがあります。
従業員の中には、家が遠く、通勤に非常に時間がかかっている方もいるでしょう。そういった方はリモートワークで働ける環境を整えると、職場環境の改善、さらには通勤の負担が軽減されることで疲労軽減につながり、業務改善の一環となります。
業務改善に取り組んでみたものの、残念ながらうまくいかないケースもあります。
失敗を避けるためにも、以下の3つのポイントをおさえておきましょう。
業務改善は誰か一人の力でできるものではないため、一人ひとりが高い意識を持って取り組んでいく必要があります。「会社から指示されたから従う」といった考え方だと、効率的な業務改善にはつながりませんし、長続きもしません。
業務改善に取り組むことで期待できるメリットなども伝えていきましょう。
業務改善のためには、改善すべき業務の洗い出しが非常に重要です。
その中から改善すべきことや無駄を見つけて、対応していきます。
当たり前のように行っている簡単な作業や業務が小さな無駄の積み重ねになっていることもあるので、細かい部分までしっかり洗い出すようにしましょう。
ミスが起こるのは仕方がないことではありますが、それを次に活かすようにしましょう。
例えば、怒られるのを恐れて上司に報告しない、隠して処理するといったことが繰り返されると、同じミスが起こりやすくなります。ミスが発生した場合にフィードバックしやすい環境を整えましょう。
いかがだったでしょうか。業務改善の効果やメリット、実践したい具体的なアイデアなどを紹介しました。自社でも取り組みやすい方法が見つかったかと思います。
業務改善は必要に応じて繰り返し行っていきましょう。その結果はしっかりとマニュアルにまとめておくと、どういった施策が効果的なのか、今後どういった見直しが必要なのかなどもわかりやすくなります。
マニュアル作成といっても初めてだと何から行えば良いのかわからず、困ってしまうこともあるでしょう。そういった方はフィンテックスまでご相談ください。
これまでに多くの操作マニュアルや業務マニュアルの作成実績があり、業務の洗い出しや体系整理も含めた業務マニュアル作成を行っております。
つい読んでしまうマニュアル作成のリーディングカンパニー、株式会社フィンテックス
監修者
企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)
<略歴>
フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。
2024.10.29
2024.10.29
2024.10.04
2024.10.04