マニュアルアカデミー
業務改善に取り組もうと考えたとしても、具体的なアイデアが出てこないと実践に移せません。何か思い浮かんでも本当に効果的なアイデアなのかわからず困っている方もいるのではないでしょうか。
そこで、業務改善のアイデアが出ずにいる方のため、その理由や対処法を解説していきます。
具体的な取り組みの例もまとめていますので、この記事を読めば、アイデアが生まれやすくなるかもしれません。ぜひ参考にしてください。
目次
業務改善のアイデアが出ない理由
業務改善のアイデアが出ない際の対処法
業務改善の取り組みの例
業務改善を成功させるためのポイント
業務改善の効果測定の方法は?
自社に合った業務改善に取り組もう
業務改善には実にさまざまな方法があります。それにも関わらず、なぜアイデアが出てこないのでしょうか。
理由として挙げられるのが以下のようなことです。
【主な理由】
「業務改善をしなければ」という気持ちがあったとしても、どのような課題や問題を解決すべきか、また具体的にどのような方法で改善すべきかが定まっていないと、アイデアは浮かびません。
まずは課題・問題を明確にすることから始めましょう。そのうえで課題・問題をどのように改善していくか定め、それに合った対処法を探していくことが重要です。
業務改善のアイデアが出ない場合は、一つずつ対策を講じていきましょう。以下の3つの方法を実践してみてください。
はじめに行いたいのが、現在行っている業務の洗い出しです。業務を丁寧に洗い出すことで、現場で抱えている課題や問題を明確化できます。
例えば、人によって質やスピードにムラがある業務や、想定している以上に時間がかかっている業務はないでしょうか。他にも、当たり前のように行われている業務ではあるものの、実際にはさらに効率的な方法があったり、そもそも不要な業務もあったりします。
こういった課題を見つけ出し、改善につなげましょう。
QCDとは「Quality(品質)」「Cost(費用)」「Delivery(納期)」の頭文字を取った言葉です。これらはいずれも重要性が高いだけではなく、相互に関係している特徴を持ちます。
そのため、どれか一つではなく、それぞれのバランスを見て考えていかなければなりません。
QCDは主に製造業で用いられる考え方ですが、業務改善のために業務フローを振り返る際にも活用できます。
業務改善のアイデアを出すのに役立つフレームワークがあります。
例えばECRS(イクルス)です。
【ECRS】
上記の頭文字を取ったフレームワークのことをいいます。はじめに、現在行っている業務やフローといったものを洗い出したうえで不要なものは削除しましょう。
次に、まとめられる業務はまとめる、必要に応じて業務の順番を変える、複雑な業務を簡略化させるといった形で進めます。それぞれの段階で何を行うべきかを考えることで、業務改善に必要な具体的なアイデアを生み出せます。
具体的にどのような方法で業務改善が進むのか理解しておくと、自社に適した方法がわかりやすくなります。
そこで、ここでは業務改善の取り組みの例として13種類のおすすめの方法を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
現在行われている業務の中にムダと言えるものがある場合は、それらをカットしていきましょう。そのためには、業務をすべて洗い出し、書き出していくことが欠かせません。
わざわざ書く必要がないような細かな作業であったとしても、そういった作業が点在している場合は大きなムダにつながっていることもあります。小さな業務も書き出しましょう。
例えば、1人で済む作業を複数人で行っていたり、使う予定がないデータをまとめている業務はムダと言えます。従業員からどのような業務をムダと感じているのかヒアリングするのも良いでしょう。
業務改善について検討していくと、改善しなければならないポイントが多々見つかることもあるでしょう。だからといって、それらに対して同時に取り組んでしまうとどれも中途半端な状態になる可能性があります。
まずはどの業務から改善していくべきなのか優先順位を明確にしておきましょう。もちろん、簡単な業務改善であれば並行して行うことも可能です。
すぐに改善できるものの効果が低いものよりも、業務改善ができれば大きな効果が得られるものから優先すると、それが実現した際は従業員のモチベーションにつながりやすくなります。
現在の業務を総合的に見直すにあたり、活用したいのがフローチャートです。フローチャートとは、業務の手順を図で表したものを指します。各業務のムダを洗い出すためには、現在行っている業務を確認しておかなければなりません。
フローチャートにより業務全体の流れが理解できるようにしたうえでムダが発生しているポイントを探していきましょう。
なお、フローチャートを作成するだけは業務改善にはなりません。そのうえで、改善すべきポイントを特定し、対応する必要があります。
業務改善に取り組む際、マニュアルを作成することで効率良く進められる場合があります。例えば、業務改善によってこれまでとは手順が変わったポイントや、効率良く業務を進めていくためのコツなどをマニュアルにまとめておきましょう。
企業によっては過去にすでにマニュアルを作っているケースもあるはずです。ですが、内容が古いままで現在の業務では活用できないマニュアルの場合は、更新が必要になります。
また、マニュアルを作成する過程で業務のムダが見つかることもあるため、ムダを見つけるためにもマニュアル作成は効果的です。
現在行われている業務の中に、分割するほうが良いと思われるものがある場合は、分割していきましょう。
例えば、1人が担当するには業務負担が大きいものや、時間がかかりすぎるものです。
ベテランの従業員であれば簡単にできる業務であったとしても担当者によっては難しいこともあるでしょう。そのような業務を見つけ出し、適切に分割することで、従業員が対応しやすくなります。
これは、従業員にとっての負担を抑えられるだけではなく、モチベーションの向上にもつながる重要な要素です。
各業務を行っている担当者が適切であるか見直しを行っていきます。従業員はそれぞれやりたいことや得意としていることが異なるはずです。
自分の能力に見合わないポジションを任せられてしまうと、どうしてもやる気を持って業務に取り組んでいくのが難しくなります。
それぞれの従業員にヒアリングを行い、現在の担当に不満や不安を抱えている場合は見直しも検討していきましょう。適材適所の人員配置を行うことで、それぞれの従業員が自身のパフォーマンスを発揮しやすくなり、業務改善が期待できます。
現在は人の手で行っているものの自動化が可能な業務がある場合は、積極的に自動化していくことをおすすめします。
特に定型業務の中には自動化が可能なものもあります。請求書の作成や電話・メールの対応、発注業務といったものが自動化できるようになれば、業務効率が大幅に改善する可能性があります。
一つひとつの作業にかかる時間はそれほど長くなかったとしても、小さな積み重ねによって大きなタイムロスが生まれていることもあります。また、自動化することは人為的ミスを抑えることにもつながるので、積極的に取り組むべき重要なポイントの一つです。
一人ひとりの従業員がスキルアップすることにより、これまでよりも業務効率が改善されたり、イノベーションの促進につながったりすることも期待できます。
ただし、スキルアップを促すだけではなかなかうまくいきません。従業員のスキルアップを促すためには、企業が具体的なサポートを行うことが重要です。
例えば研修の機会を設けたり、専門的な資格を取得した従業員に対して資格手当を用意したりするのも良いでしょう。自発的にスキルアップを目指す従業員が増えれば、企業全体の生産性向上につながります。
企業全体で意識して取り組んでいきたいのが、ペーパーレス化です。現在紙ベースで書類を取り扱っている場合、印刷や管理に手間やコストがかかります。
また、必要な書類の保管場所がルール化されていない場合は見つけ出すのに時間も取られますし、適切に管理できていない場合は情報漏えいのリスクが高まってしまうこともあるでしょう。
ペーパーレス化により管理や保管の手間がかからなくなるだけではなく、情報漏えいの防止、用紙代・印刷代・輸送費の削減が可能です。
社内に散らばっている各種情報はデータベースを構築することで蓄積していくことが可能です。例えば、トラブルやクレーム対応に関して詳細をまとめておけば、次回同じような状況に陥ってしまった際に迅速な対応ができるようになります。
また、顧客情報やプロジェクトの進捗といったものをデータベースで一元管理できる状態にしておけば必要な時にすぐに情報を確認できるため、業務効率の向上につながります。
データを蓄積するには時間がかかるため、早い段階で取り組んでおくことをおすすめします。
業務の効率化に大きく貢献するのが、ITツールです。自社に適していそうなITツールを見つけた場合は、積極的に導入を検討していきましょう。
例えば、タスクやプロジェクトを管理するツールや、企業内のコミュニケーションを効率化するツールを導入する方法があります。
他にも、データ入力や集計といったものが自動で行えるようになるツールを導入するのも良いでしょう。
柔軟な働き方につなげるため、リモート会議ツールを導入する企業も増えてきました。社内の情報共有に役立つツールを活用するのも効果的です。
現在、課題や問題になっているポイントを明確にし、それらに対応できるITツールにはどういったものがあるかチェックしてみましょう。
現在社内で行っている業務の中で外部業者に任せることができるものについては、アウトソーシングを活用するのも効果的です。人事や秘書、総務、採用、事務など実に多くの業務でアウトソーシングが可能なことがあります。
特に専門的な知識や技術を必要とする業務の場合は、それを得意としている業者にアウトソーシングしましょう。社内で新たに対応できる人物を育てたり、新規に採用したりするよりも効率良く対応できるはずです。
アウトソーシングを活用することによって時間に余裕ができるようになれば、その時間でコア業務に取り組めるようになります。
タイムマネジメントとは、時間管理のことです。どの業務にどの程度の時間がかかっているかを明確にしましょう。
プロジェクト管理ツールの中には各タスク完了までにどの程度の時間がかかっているのか分析できるものもあります。そういったものを活用することによって時間がかかりやすい業務を特定し、必要に応じて担当人員を増やすなどの対策を講じることが重要です。
業務改善を成功させるためには、一人ひとりが当事者意識を持って取り組んでいくことが欠かせません。
「会社に指示されたから」といった感覚で取り組んだとしても、本当に効果的な業務改善には結びつきません。
自分たちが業務改善に取り組むことで、具体的にどのようなメリットや効果があるのかを理解しておくと、モチベーションにつながりやすくなります。自ら率先して業務改善のために何ができるのかを考えられるようになると、さらに効果的です。
この時、一度に広範囲の業務改善を行おうと考えると時間がかかって効率が悪くなってしまうので、1つずつ確実に実践していきましょう。
業務改善に取り組んだら、効果測定を行っていきましょう。効果測定を行わないと、実施した業務改善が本当に効果を上げたのか、どの部分を見直すべきか判断できません。
例えば、あらかじめ「KPI」を設定しておく方法があります。KPIとは「Key Performance Indicator」の略であり、目標の達成度を確認する際に用いる指標のことです。
残業時間を減らすことを目的として業務改善するのであれば「残業時間50%減」などがKPIにあたります。
あらかじめ具体的な数字を設定しておき、その達成度を確認しましょう。数字では測定が難しい従業員や顧客の満足度などについては、満足度調査やアンケートの分析などを活用して効果測定を行います。
業務改善のアイデアが出ない場合に備え、その理由や対処法を解説しています。さまざまな方法の中から、自社に適したものを選択することが重要です。
業務改善の対策が明確になったら、それをマニュアルにまとめ、具体的に実践することが重要です。
マニュアルの作成に関して困っていることがある場合は、フィンテックスまでご相談ください。企業にとって実際に役立つ価値あるマニュアル作成を行っています。
つい読んでしまうマニュアル作成のリーディングカンパニー、株式会社フィンテックス
監修者
企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)
<略歴>
フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。
2024.12.23
2024.12.20
2024.12.19
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2024.12.19