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はじめての英語版マニュアル作成ガイド

外国人労働者の増加やインバウンドの影響により、社内外で使用する英語版マニュアルのニーズが高まっています。
特に、多国籍な人材を採用・育成する企業では、「社内のマニュアルや手順書を英語にしたいけど、どうすればいいかわからない」「機械翻訳を使って手早く作成したいけど大丈夫?」「翻訳会社に頼むと高そう・・」など、お悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ここでは、英語版マニュアルの作り方や機械翻訳に関する情報についてご紹介します。

目次
日本語版業務マニュアルの準備
英語版マニュアルの作成方法
マニュアルの翻訳で機械翻訳を使う際の注意点
英語版マニュアルを外注するには
スムーズに英語マニュアルを作成するために

日本語版業務マニュアルの準備

日本企業で英語版マニュアルを作成するには、元となる日本語版マニュアルを作成してから英語版へ翻訳するのが一般的です。既に社内で運用している日本語版マニュアルがあれば、それを活用して翻訳できますが、英語化するためにいくつか注意したい点があります。

対象読者を明確にする

マニュアルの読み手が誰なのか、日本語版の時点で明確にして、必要な情報を盛り込んでおきましょう。英語化(英訳)を始める前に日本語版をしっかり完成させておくことが、効率の良い英語版作成につながります。

5W1Hをはっきり記載する

5W1H(Whenいつ、Whereどこで、Who誰が、Whyなぜ、Howどのように)の情報は、わかりやすいマニュアルを作成するために、必ず盛り込みたい情報です。日本語では主語や目的語を省略する傾向がありますが、英訳時には支障が出る可能性があります。特に機械翻訳を検討する場合は、主語・目的語を省略せずに記載します。

簡潔な表現とする

日本語を英語化すると、文章は長く文字数も多くなる傾向があります。接続詞の使用は最低限とし、箇条書きなども活用しながらできるだけ短い文章で解説するように心がけてください。

用語の統一

英語化する際に重要なのが、用語の選択と統一です。同じ対象物を指すのに違う用語を使用してしまうと(例:PC/パソコン)、英語化する際にもバラつきが出て読者の迷いにつながります。日本語の時点で呼称・表記を統一しておきましょう。

英語版マニュアルの作成方法

英語版マニュアル作成時の注意点

  • 翻訳レベル・テイストの決定
    英語版マニュアルの読者は誰でしょうか。北米向け、欧米向け、アジア向け、日本国内向け、いずれかによって使用する単語や表現など英語のテイストが異なります。
    企業によっては、基準となる翻訳ルールや基準を設けている企業もあるでしょう。翻訳作業前に、必ず確認しておきましょう。
  • 使用用語の決定
    前項でも述べたとおり、使用する用語の統一が非常に大切です。翻訳開始前に日英対訳の形で用語集を準備して、翻訳者にも共有しておきます。
  • レイアウト・デザインの注意
    日本語を英語化することで、文字数が多くなります。日本語版では1ページに収めていた内容が収まらなくなったり、テキストボックスから文字があふれて見切れてしまったり、といったトラブルが想定されます。あらかじめ余裕を持ったレイアウトを心がけるとともに、翻訳後には必ずレイアウトのチェックが必要です。
  • 効率の良い翻訳作業を
    マニュアルでは、似たような表現・文章を繰り返し使用することがあります。
    たとえば、「○○画面を開いて△△をクリックする」という表現が繰り返し出てきた場合、毎回英訳して異なる英訳をあててしまうと、費用も高く表現のバラついた低品質の翻訳作業になってしまいます。
    翻訳しながらデータベースを蓄積し、過去の翻訳資産を活用する「翻訳メモリ」という便利なツールがあります。興味のある方は翻訳専門の会社に相談してみましょう。
    ※参照:翻訳メモリとは

英語版マニュアルの作成手順

  1. 元となる日本語マニュアルを完成させる
    日本語版業務マニュアルの準備」を確認しながら、日本語マニュアルを完成させます。
  2. 使用用語を取り決める
    英語版マニュアル内で使用する用語を取り決めて用語集を準備します。
  3. マニュアルを翻訳する
    マニュアル内の日本語を翻訳して英語化します。
  4. 第三者による翻訳チェックを入れる
    翻訳担当者以外の担当者が、第三者として翻訳品質をチェックします。
  5. レイアウトを整える
    文字を英語に置き換えた状態で、マニュアルとしてのレイアウトを整えます。文字の見切れやあふれに注意します。
  6. 社内回覧する
    でき上がったマニュアルは社内で回覧し、ミスを解消してから承認を得ます。

マニュアルの翻訳で機械翻訳を使う際の注意点

Google翻訳などの機械翻訳が一般的に活用されている今、マニュアルの翻訳にも機械翻訳を使いたいと考えている方もいるでしょう。

機械翻訳の利点と注意点

機械翻訳を使用するメリットは、なんといってもコストとスピードでしょう。機械翻訳ツールを使えば、大量の文字数がある場合でも、日本語を英語に置き換えた結果が瞬時に出てきます。
ただし、ビジネス上で機械翻訳を利用する場合は以下の点に注意が必要です。

  • セキュリティー面(機密漏洩のリスク)
  • 専門用語への対応(誤訳の発生)
  • 翻訳品質(訳抜け、用語選定ミス、誤訳)

機械翻訳結果の校正方法

機械翻訳を実行したあとには、必ず人による校正を入れます。
訳抜けがないか、誤訳がないか、一通り全文を読んで確認します。できれば、Nativeスピーカーや翻訳者など、信頼できる方に校正を依頼しましょう。

専門用語や表現の適切な選定

機械翻訳では、固有名詞や業界の専門用語の対訳を選定できない可能性があります。翻訳ツールによっては事前に用語や文章を設定しておけるツールもあるので、使用する翻訳ツールの仕様を確認しておきましょう。
また機械翻訳の場合、全体の文脈や微妙なニュアンスを人間のように読み取ることはできません。そのマニュアルの内容が機械翻訳に適すかどうか、あらためて確認しましょう。

英語版マニュアルを外注するには

高い品質で英語版マニュアルを作成したい場合は、外部の翻訳会社に翻訳・作成を委託する「外注」の選択肢があります。

外注のメリットとデメリット

外注するメリットは、自分たちが負荷を負わずに高品質の英語版マニュアルが完成することです。専門の翻訳者が入ることで英語自体の品質が維持されることはもちろん、適切な表現でわかりやすいマニュアルができ上がります。
デメリットとしては、費用と期間がかかる点が挙げられます。専門担当者による複数の工程が必要なため(準備、翻訳、翻訳チェック、レイアウト調整)、どうしても制作期間は長くなります。

外注先の選定方法

翻訳会社にもさまざまな会社があるため、対象となるマニュアルの内容に応じて、適切な外注先を選定しましょう。マニュアルの翻訳を得意とする会社、その中でもそれぞれの得意分野(IT、工業、医療、金融、法務、特許…等)に合致した会社を選ぶと良いでしょう。
また、翻訳を外注するのが初めての場合は、工程や費用などについて丁寧に説明してくれる会社(担当者)であれば安心して依頼できます。

コミュニケーションと納品のプロセス

外注する上で最も重要なのが、プロジェクト開始時のコミュニケーションです。マニュアルの内容や目的、注意してほしい点、求める品質や納期についても事前にしっかり伝えて、契約を結んでおく必要があります。
必要なプロセスや期間は委託先の会社によって異なるため、どのようなスケジュールになるのか、事前にすり合わせておくことをおすすめします。

外注にかかる費用の考え方

翻訳に必要な費用は基本的に、「元となる日本語の文字数×翻訳単価」で決まります。
翻訳単価は、翻訳者・翻訳会社によってかなり幅が広く、その内容・分野・専門性の高さなどによっても変動します。Nativeスピーカーによる翻訳単価、第三者チェック込みの翻訳単価を基本とする会社など、条件もさまざまなため、事前によく確認しましょう。単価が高い会社でも、翻訳メモリやAI翻訳などの活用により結果的には全体のコストダウンを実現する会社もあります。
また、翻訳開始後に日本語を変更してしまうと、追加翻訳として追加費用がかかってしまうため、注意しましょう。

スムーズに英語版マニュアルを作成するために

いかがでしたでしょうか。英語版マニュアルの作成方法について、機械翻訳や外注の選択肢も含めて、理解できたと思います。
スムーズに英語マニュアルを作成するためには、まず元となる日本語版をしっかり作って完成させること、そして、適した翻訳の手段を選定することが大切です。
自社に適したやり方で、英語版マニュアルを作成してみてください。
フィンテックスでは、英語版マニュアルに関するご相談も承ります。自社内での作成が難しい場合にはぜひご相談ください。

つい読んでしまうマニュアル作成のリーディングカンパニー、株式会社フィンテックス

監修者

監修者の写真

中丸 貴仁

企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)

<略歴>

フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。

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