マニュアルアカデミー
新入社員を受け入れるにあたって重要なのが、「入社オリエンテーション」です。
入社する会社の企業理念や経営理念、社内ルールやビジネスマナーを周知しておくことで、新入社員がスムーズに業務に携わっていけるようになります。
この記事では、初めての方でも新入社員向けのわかりやすいオリエンテーション資料が作成できるように、構成案や作成手順を紹介します。
目次
入社オリエンテーション資料の重要性
入社オリエンテーション資料の構成案
入社オリエンテーション資料の作成手順
入社オリエンテーション資料の作成における注意点
わかりやすい入社オリエンテーション資料で新入社員を歓迎しよう
そもそも入社オリエンテーション資料は、どういう目的で必要なのでしょうか。入社オリエンテーション資料の役割と、その重要性を解説します。
新入社員は、初めての会社でわからないことが多く、不安を抱えています。一緒に働くメンバーの紹介や挨拶、具体的な仕事の紹介をカジュアルに伝えることで、不安が解消されるでしょう。また、会社のトップからのメッセージや、1年後にどういう社員になってほしいかなど具体的なビジョンを提示されると、新入社員の意欲アップにつながることも期待できます。
企業理念や経営理念を伝えることで、会社の一員となって働く意識を共有できます。それによって、新入社員がいち早く自分の目標や役割を意識して働く手助けになるでしょう。
入社オリエンテーションでは、口頭での説明がメインになります。オリエンテーションの資料を用意すれば、口頭での説明を補うことができます。また、オリエンテーション終了後に資料を共有しておけば、その場では理解できなかったり聞き逃したりしても、入社後にもオリエンテーションの内容を改めて確認することができます。
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それでは、実際に入社オリエンテーション資料を作成する際の構成案を見ていきましょう。
資料の流れを把握しやすいように、全体の目次と概要を作成しましょう。新入社員にとっては、オリエンテーション後に見直す際の索引代わりにもなるので、パッと見て内容がわかるように書くのがおすすめです。
企業のミッション(社会的役割)やビジョン(経営理念)は入社前に会社説明会などで提示しているかと思いますが、改めて共有しておきましょう。ここで、会社のトップから新入社員へのメッセージや、期待する社員像などを伝えるのも良いでしょう。新入社員が、会社の一員としての自覚を持ったり、入社後に迷ったときの、自身の行動の指針としたりすることが期待できます。
勤務時間や休憩時間などのルールや、社内外のコミュニケーションにおけるマナーを説明します。新入社員が、部署やチームにより早く馴染む手助けになるでしょう。社内でのコンプライアンスやセキュリティ面について最初に伝えておくことで、トラブルを未然に防ぐことにもつながります。
業務の概要や、所属予定部署の社内事業における役割・立ち位置を説明します。会社の全体像を把握することで、社内での自分の役割が理解しやすくなり、モチベーションアップにつながります。また、どのようなスケジュールで業務が動いているのかを紹介することもおすすめです。「若手社員の一日」など、新入社員に近い目線で紹介すると、具体的でイメージしやすくなります。
新人研修プログラムのスケジュールや、達成目標を説明します。具体的な目標を示すことで研修に向けたモチベーションアップにもつながります。また、前年の研修の様子を写真や動画で紹介すると、研修に臨む新入社員の不安を解消できるでしょう。
構成案ができたら、作成手順に沿って実際に入社オリエンテーション資料を作成してみましょう。
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まずは、企業の基本情報や業務内容、社内ルールについて情報を集めましょう。新人研修の資料を確認したり、新入社員が所属する部署の担当者に新人業務についてヒアリングしたりします。入社数年目の社員に、入社した際にどのような点が不安だったか、どんな部分を疑問に思ったのかを聞いておくのも良いでしょう。
次に、集めた情報を整理して、どのように伝えるか構成を考えます。情報が多すぎると、かえってわかりにくくなってしまいます。最初に知っておいてほしいことにポイントを絞って説明できるようにしましょう。
フォントや文字サイズは統一しておきます。文章ばかりだと、見たい・読みたいという気持ちが起きません。画像や表を使用して、説明を聞きながら読んでもわかりやすい資料を作成しましょう。ポイントに企業のテーマカラーを使うと、印象的になるのでおすすめです。
オリエンテーション資料が完成したら、各部署の担当者などに確認してもらい、修正点や訂正箇所を洗い出します。新入社員にとってわかりやすい、簡単な表現になっているかも確認しましょう。
内容の確認が終わったら、資料の誤字・脱字がないか、情報の抜けや漏れがないかを最終確認します。問題がなければ、オリエンテーションに向けて資料データの投影や配信の準備をしたり、資料を使ったオリエンテーションの予行練習をしたりします。
ここからは、入社オリエンテーション資料の作成における注意点を記載します。より良い資料作成のために、確認してみましょう。
1枚の資料に情報をつめこみすぎていませんか?適度な余白があるほうが、さっと確認しやすくなります。図や画像を使用するだけでなく、行間を空けることも意識すると良いでしょう。装飾が多いと読みにくくなるので、強調や下線は重要なポイントに絞って使うようにしましょう。文章が長くなる場合は、箇条書きもおすすめです。
専門用語や、難しい表現を使っていませんか?新入社員がわかりやすいように、シンプルで読みやすい表現にしましょう。最初はざっくりとした業務内容や部署の役割を把握してもらい、詳しい内容は研修や部署に配属されてから伝える、などの切り分けをあらかじめしておくと、適度な情報量に絞られてわかりやすくなります。
新入社員にとって、初めての業務はわからないことが多く不安なものです。わかりにくい社内での手続きや、社内業務上で起きやすい疑問をあらかじめ説明しておくと、不安が解消されます。オリエンテーション終了後も確認できるように、「よくある質問」などで具体的に説明したり、入社後に困ったときの社内問い合わせ先を記載したりしておくのもおすすめです。
オリエンテーションでは、オリエンテーション担当者と新入社員がインタラクティブ(双方向)にやり取りすると、一方的な説明にならず、内容の理解も深まります。質疑応答やクイズ形式でコミュニケーションを取ったり、動画を追加して飽きない工夫をしたりしましょう。
情報が古いと、せっかく作成した新入社員オリエンテーション資料も役に立たなくなってしまいます。特に、社内ルールの中でもコンプライアンスやセキュリティなどは、状況に応じて変化し続けます。過去の資料を流用する場合には、使用する前にアップデートして最新の情報を盛り込むようにしましょう。
新入社員にとって、入社オリエンテーションは企業をよく知るための第一歩です。企業理念や社内のルールをわかりやすく伝えて、新入社員の不安や疑問を解消し、1日でも早く新しい会社・仕事に馴染んでもらえるようにしましょう。
つい読んでしまうマニュアル作成のリーディングカンパニー、株式会社フィンテックス
監修者
企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)
<略歴>
フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。
2024.12.23
2024.12.20
2024.12.19
2024.12.19