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マニュアル校正の基本とは?見落としがちなポイントを徹底解説

マニュアルを作成するにあたって、「校正」は基本であり重要な工程のひとつです。

この記事では、マニュアル作成における校正のポイントや、便利なツールとテクニック、また、マニュアルの「校閲」についても解説します。

目次
マニュアル校正の重要性
マニュアルにおける校正ポイント
マニュアルにおける「校閲」とは
効率的な校正のためのツールとテクニック
まとめ

マニュアル校正の重要性

校正は、マニュアルの正確さとわかりやすさを保つために欠かせない作業です。読み手に正しい情報を届け、活用してもらえるマニュアルを作成するためにも、校正の重要性を押さえておきましょう。

校正の目的と役割

マニュアルの目的は、業務の見える化や商品の操作説明などさまざまですが、どのマニュアルであっても、「正しい情報を正しい日本語で伝えること」は必ずクリアすべき品質基準です。

活用しやすいマニュアルにするために、誤字脱字や表現の揺れがないか確認することが「校正」の役割となります。

校正を怠った場合のリスク

製品の操作マニュアルで校正が不十分な場合、ユーザーが正確に情報を読み取れず、製品の誤った取り扱いによる破損や事故に繋がる恐れがあります。その結果、提供企業や製品・サービスに対する信頼が損なわれ、顧客満足度が低下するリスクが生じます。

また、業務マニュアルの校正が不十分だと、新人研修や業務引継ぎの際に正確に情報が伝わらず、業務に支障が出たり、作業効率が下がったりすることにも繋がりかねません。

マニュアルにおける校正ポイント

校正では、誤字脱字だけでなく、表記の一貫性やレイアウトの確認なども重要です。マニュアルにおける校正ポイントを理解し、ユーザーが読みやすいマニュアルに仕上げましょう。

誤字脱字やタイプミス

誤字脱字やタイプミスは内容の信頼性を損ね、読者に混乱を与える原因となります。

特に製品・サービスに付属の操作マニュアルでは、初めて使うユーザーのために正確な情報が求められるため、些細な誤字脱字やタイプミスでも大きな影響を与える可能性があります。文章をしっかりと見直して確認しましょう。

表記・表現の不統一

マニュアルの表記や表現は、一貫性が求められます。

たとえば、漢字とひらがなの使い分けや、送り仮名の統一、全角・半角文字の統一ルールなどです。略称を使用する場合はその表記ルールを取り決めて統一し、ユーザーが混乱しないように心がけましょう。

レイアウトやフォーマットの不統一・崩れ

校正には文章だけでなく、レイアウトなどの確認も含まれます。これを「デザイン校正」と呼びます。

使用するフォントや表組・画像のサイズを統一したり、インデント・行間の余白を整えたりすることで、ユーザーにとって読みやすいマニュアルに近づきます。

画像や図表の整合性

マニュアルには、説明を補完するための画像や図表がよく挿入されます。しかし、画像・図表内の名称が、マニュアル解説での表記と異なっていると、ユーザーの混乱を招く恐れがあります。

たとえば、マニュアルに貼付したシステム画面上のボタン名(例:「スタート」ボタン)と、手順文中のボタン名表記(例:「開始」ボタン)に矛盾がある場合、ユーザーが混乱して正しい操作ができない可能性があります。

この表記の整合性をとる作業は「校閲」に近いものですが、正しい情報を提供するために欠かせません。「校閲」については後ほど解説します。

参照箇所やリンクの確認

詳細な説明をするために設定したはずの参照箇所やリンクが不正確だと、ユーザーが必要な情報にアクセスできなくなってしまいます。

参照先(文書名、ページ数、見出しなど)が正しいかの確認だけではなく、参照先リンクが貼ってある場合には、リンク切れを起こしていないかを確認しましょう。

マニュアルにおける「校閲」とは

マニュアルの作成には、文章を確認する「校正」だけでなく、内容の正確さを確認する「校閲」も重要です。校閲を通すことで、マニュアル内の情報が精査され、正しい情報がユーザーに伝わります。ここでは校閲の意味や、誰がいつ実施するべきかを解説します。

「校閲」とは

「校閲」とは、文章の内容が正しいかどうかを確認する作業です。データや数値が正確か、最新情報が反映されているか、論理の矛盾がないかをチェックします。

「校正」が文章の誤字脱字や表記の確認であるのに対し、「校閲」は内容の正確性に焦点を当てます。

「校閲」を実施するのは誰?

校閲は、通常、マニュアル内に記載されている内容に詳しい専門家や担当者が行います。

マニュアル制作においても、業務マニュアルの場合は業務内容に精通している現場の担当者、操作マニュアルの場合は製品・サービスの仕様に精通している開発担当者に校閲を依頼することが多いです。

また、ユーザーにとってわかりやすい表現・解説になっているかといった、ユーザー視点に立った校閲は、マニュアル制作会社が得意としている部分です。

「校閲」を実施するのはいつ?

書籍の場合には、校正のあとに校閲を行うのが一般的ですが、マニュアル制作では校正と校閲を複数人で手分けをし、ほぼ同時に行うことが多いです。

校閲を早めの工程に入れることでマニュアルの内容を早めに固めることができるため、後工程では、よりわかりやすく高品質なマニュアルへ仕上げるためのゆとりが生まれます。

効率的な校正のためのツールとテクニック

校正を効率化するためには、ツールの活用や運用上の工夫が必要です。校正支援ツールや複数人での確認、チェックリストの活用などにより、時間を短縮しながらも精度の高い校正を実現します。

校正支援ツールの活用

効率的に校正を進めるためには、校正支援ツールの活用が有効です。

たとえば、(株)ジャストシステム が提供する「Just Right!」というツールを使えば、文章中の誤字脱字や表記揺れを機械的にチェックして、修正箇所と修正候補を指摘してくれます。

ツールを活用することで、校正作業のスピードと精度が向上します。

複数人での校正のメリット

校正は1人で行うよりも、複数人で進めるほうが効果的です。1人では気づけないミスも、複数人で確認することで見つけやすくなります。

フィンテックスでも、ライター、ディレクター、第三者チェッカーと、複数の視点で校正を行っています。

また、当社でマニュアル作成をお引き受けする場合には、最も正確な知見・情報はお客様がお持ちであると考え、お客様にも校正作業をお願いしています。

時間を空けた再確認の効果

校正作業の途中や完了後に、少し時間を置いてから再確認を行うと、意外なミスに気づくことがあります。マニュアルの運用が始まってからも定期的な再確認(校正)を行うことで、品質を維持することができます。

チェックリストの活用

校正の際に、誰が何をチェックするのか、リストを作成しておくと良いでしょう。チェックリストを活用することで、漏れなく確認ができ、校正作業をスムーズに進められます。

まとめ

マニュアル作成において校正は、誤字脱字や表現の不統一を解消し、正確でわかりやすいマニュアルを作成するためにも欠かせない作業です。複数人での校正やツールの活用、時間を空けた再確認を行うことで、より精度の高い校正を実現し、ユーザーに役立つマニュアルを提供しましょう。

フィンテックスをはじめとしたマニュアル制作会社には、マニュアルに特化した「校正」の技術があります。マニュアルのプロが「校正」と「校閲」をしっかり実施し最低限の品質を維持しながら、わかりやすく役立つマニュアルをご提供します。 マニュアル作成にお悩みの方は、ぜひフィンテックスにご相談ください。

つい読んでしまうマニュアル作成のリーディングカンパニー、株式会社フィンテックス

監修者

監修者の写真

中丸 貴仁

企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)

<略歴>

フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。

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