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改定と改訂、何が違う?マニュアル作成のプロが解説する基礎知識

ビジネスシーンでよく使われる「改定」と「改訂」。似た言葉ですが、それぞれ異なる意味を持ち、適切な使い分けが求められます。

本記事では、特にマニュアル作成において、どちらを使用すべきかを詳しく解説し、マニュアル更新作業の重要性や効率的な進め方についてもご紹介します。

マニュアル作成のコツ

目次
「改定」と「改訂」の違いとは?
マニュアルの「改訂」作業とは
マニュアル改訂作業が重要な理由
マニュアルには「改訂履歴」を入れることがおすすめ
まとめ

「改定」と「改訂」の違いとは?

「改定」と「改訂」は似たような意味に思えますが、それぞれ異なる場面で使われる言葉です。
それぞれの定義や違い、そしてマニュアルを更新する作業では「改定」「改訂」、どちらを使うのが正しいのかを解説します。

「改定」と「改訂」の基本的な意味

「改定」とは、制度や基準、ルールなどを見直して変更することを指します。たとえば、交通法規や、税制の大幅な変更などが該当します。

「改訂」とは、既存の文書や資料の内容を修正し、より正確で新しい情報に更新することを指します。教科書や業務マニュアルの内容修正がその例です。

つまり、「改定」は全体的な見直しや大きな変更に使われ、「改訂」は詳細な修正や更新に使われるのが一般的といえるでしょう。

日常での一般的な使われ方

日常生活で「改定」は、法律や料金表など、社会的な制度や規則の見直しで多く使われます。一方で「改訂」は、本やマニュアルなどの文書の内容を部分的に見直すときに使われます。
たとえば、「運賃の改定が発表されました」という文章は価格体系の全体変更を意味し、「取扱説明書を改訂しました」という文章は具体的な内容の修正や更新を意味します。

マニュアルの更新作業は「改訂」が正解

マニュアルの場合、更新作業では細かな情報の修正や追記が行われます。そのため、全体的な基準や制度を見直す「改定」ではなく、内容の誤りを直したり最新情報を追加したりする「改訂」が使用されます。

マニュアルの「改訂」作業とは

マニュアルの「改訂」作業は、単に誤りを直すだけでなく、内容を最新の状態に保つためにも重要です。
ここでは、改訂作業の基本的な流れや注意点、効率化の方法について説明します。

改訂作業の基本ステップ

マニュアルの改訂は以下のステップで進められることが一般的です。

  1. 現行マニュアルの確認:現在のマニュアルの内容を確認し、修正が必要な箇所をリストアップします。
  2. 情報収集:更新に必要な最新情報を収集し、改訂内容を整理します。
  3. 修正と反映:収集した情報をもとに、マニュアルの該当箇所を修正します。
  4. レビューと承認:改訂後の内容を関係者に確認してもらい、最終承認を得ます。
  5. 配布と共有:更新されたマニュアルをユーザーに公開し、共有します。

これらのステップを丁寧に進めることで、マニュアルをより良い状態に更新することができるでしょう。

改訂時に確認すべきポイント

改訂作業では、以下のポイントを必ず確認することが重要です。

  • 情報の正確性:新しく追加した情報や修正箇所に誤りがないか。
  • 一貫性:文書全体のトーンや用語が統一されているか。改訂個所の前後も通して読んでみて、解説方法や表現に違和感がないか。
  • ユーザー目線:改訂後のマニュアルがユーザーにとってわかりやすいか。

これらを意識することで、利用者が使いやすいマニュアルを作ることができます。

効率的な改訂を実現する方法

改訂作業を効率よく進めるための方法を見てみましょう。

  • 専用ツールの活用:マニュアル管理ソフトやクラウドストレージを活用し、バージョン管理を効率化します。
  • チームでの分担:担当者を分けて作業を進めることで、負担を軽減します。特に、本業の繁忙期など担当者のスケジュールを把握し、チーム内で調整しながら進めることをおすすめします。
  • 定期的な改訂スケジュールの設定:たとえば、“3か月に一回”、“毎年〇月に更新”、“製品のバージョンアップに合わせて毎回”など、定期的な社内の改訂ルールを決めておくと、最新状態を保ちやすくなります。

マニュアル改訂作業が重要な理由

改訂作業は、単なる更新作業ではなく、マニュアルの価値を高めるために欠かせないステップです。
ここからは、その重要性について詳しく解説します。

ユーザー要望に応じた改善活動

マニュアルを運用しながら、ユーザーからの意見や要望を集めておくことをおすすめします。
「ここがわかりにくい」「必要な情報が探せなかった」「この情報も記載してほしい」など要望を集めて、改訂のタイミングでマニュアルに反映していきます。

また、Webマニュアルであれば、ユーザーによく見られているページを把握したり、ユーザーのマニュアル使用評価を確認したりしながら、マニュアル改善の方針を検討することができます。

最新の情報を漏れなく反映する定期的な改訂

業務や製品の内容は日々変化します。
たとえばシステム製品の操作マニュアルの場合、システムの仕様変更内容がすぐにマニュアルに反映されないと、マニュアルを見たユーザーは正しい操作方法がわからず混乱します。

改訂作業を通じて常に最新情報を提供することが、信頼性のあるマニュアルを維持する秘訣です。

業務効率や信頼性向上のための改訂

正確なマニュアルがあれば、ユーザーは迅速に必要な情報を得ることができます。
また、新人教育や業務の引継ぎにマニュアルを使用することで、業務効率が良くなります。
さらに、製品の仕様説明など、適切に改訂されたマニュアルは企業の信頼性を高める重要なツールにもなります。

マニュアルには「改訂履歴」を入れることがおすすめ

改訂履歴は、マニュアルの更新内容を明確にするための重要な要素です。改訂履歴の役割や、作成方法について押さえておきましょう。

改訂履歴の役割とメリット

改訂履歴があると、過去にどのような変更が行われたのかを一目で確認できます。これにより、以下のメリットが得られます。

  • ユーザーの混乱を防ぐ:変更箇所がわかることで、旧版との差異を理解しやすくなります。
  • 管理の効率化:改訂内容が記録されているため、いつ何の情報まで反映されているかが明確になり、社内のマニュアル管理がしやすくなります。

改訂履歴の作り方と管理方法

改訂履歴には、以下の要素を含めるとわかりやすく整理できます。

  • 改訂日
  • 改訂内容の概要、簡単な説明
  • 改訂の担当者

これらを表形式にまとめると、管理がしやすくなります。また、デジタル化されたマニュアルの場合は、履歴をリンクや注釈として追加すると便利です。

【変更履歴】ページサンプル

まとめ

「改定」と「改訂」の違いとともに、マニュアルの改訂作業についてご紹介しました。
改訂作業を丁寧に行うことで、マニュアルの価値が高まり、ユーザーからの信頼を得られます。さらに、改訂履歴を活用することで、効率的な管理が可能になります。

フィンテックスでは、新規のマニュアル作成代行はもちろん、マニュアル改訂作業の支援も行っています。マニュアルの更新・運用面でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください!

つい読んでしまうマニュアル作成のリーディングカンパニー、株式会社フィンテックス

マニュアル作成のコツ

監修者

監修者の写真

中丸 貴仁

企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)

<略歴>

フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。

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