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業務改善

営業が業務改善することで得られる恩恵と具体的な進め方のポイント

営業の仕事は、企業の売り上げを安定させたり、利益を拡大させたりするためにも非常に重要な意味を持ちます。

ですが、中には「営業の仕事がうまくいかない」「課題が多い」と感じている方もいるのではないでしょうか。

何か課題がある場合は、それを突き止め、改善していかなければなりません。

そこで、業務改善に取り組みたい営業職の方向けに業務改善のポイントを解説します。この記事を読むことで、営業が抱えている課題や業務改善を進めていくための具体的な方法がわかるようになるので、ぜひご覧ください。

目次
営業の主な業務
営業業務が抱える課題
営業業務を改善することによってもたらされる恩恵
営業業務を改善する際のステップ
営業の業務改善を行う方法
営業業務の改善に役立つツール
営業の業務改善にはマニュアル作成が効果的

営業の主な業務

そもそも、営業はどのような業務を担当しているのでしょうか。

営業といえば、顧客を開拓し、新規に契約を取ってくる業務を行うイメージがあります。しかし、他にも既存客に対する営業や、請求書・発注書類作成などの細かな事務作業、納品や顧客に対するフォローなども重要な業務です。

新規顧客を獲得したとしても、既存の顧客が離れてしまえば売り上げは安定しません。
新規顧客の獲得と既存顧客へのフォローや営業の両方が必要になるため忙しくなりやすく、難しい仕事です。

営業は足を使って行う仕事と事務作業の両方を担当することになります。営業の成績を上げるためには提案資料を作成しなければならない場合も多く、業務内容は多岐にわたります。どこまで営業職が担当するかは、企業によっても違いが大きいといえます。

営業業務が抱える課題

営業担当者はさまざまな課題を抱えています。中でも以下の4つを課題として感じているケースが多いようです。

➀残務処理・内勤業務が多い

営業職ということもあり、営業担当の本来の仕事は営業して契約を取ってくることにあります。

ですが、残務処理や内勤業務に追われてしまい、なかなか営業の時間が取れないことを課題として抱えているケースは珍しくありません。

特に内勤業務として行わなければならない見積書・請求書・発注書類の作成などに時間がかかってしまうと、営業機会を逃してしまうこともあります。

営業事務がいる場合はこれらの業務を任せられることもありますが、いない場合は各営業担当者が行うことになり、負担が大きくなってしまうのも課題です。

業務時間内に終わらせることができなかった場合、残業が続いてしまうこともあります。営業担当は毎日忙しく働いていることもあり、残業や休日出勤が多くなると、体力面で持たなくなってしまう可能性も高いです。

②移動・待ち時間の占める割合が高い

営業の仕事は、顧客のもとに出向いて営業をしたからといって、必ずしも契約が取れるとは限りません。このような状況が続いてしまった場合、多くの無駄も発生します。

特に遠方の客先へ出向く機会が多い場合は、移動時間がかかってしまうので、大きな損失につながってしまうことも多いです。

待ち合わせの時間ギリギリに到着するわけにもいかないため、余裕を持って移動しなければなりません。すると待ち時間が長くなってしまい、結果的に直接的に利益に結びつくわけではない無駄な時間が発生します。

移動時間が長いことが問題だと感じている場合は、オンラインツールなどもうまく活用していきましょう。

ただ、契約を獲得することで大きな売り上げにつながるようなケースは、やはり直接足を運ぶのが理想です。

③ノウハウ・顧客とのリレーションが属人化している

契約を獲得するためには、会話力や提案力、商品・サービスに関する理解力、説明力など、さまざまなスキルが必要になります。これらは会社として統一されたものではなく、一人ひとりの営業が独自に勉強をしたり、経験を積んだりすることによって身に付けていくケースが多いです。

そのため、属人化しやすいのも営業職における大きな課題といえます。仮に大きな売り上げに貢献していた営業担当者が離職してしまった場合、企業の売り上げが大幅に落ちてしまうことも珍しくありません。

顧客と信頼関係が結べているのが一人の営業担当者のみの場合、その担当者が退職した際に顧客が離れてしまう可能性もあります。

属人化の背景には、自分が身に付けてきたノウハウを公開したくないといった気持ちを持っている営業担当者も多いです。

④顧客のニーズが多様化している

近年は顧客のニーズが多様化しているといわれています。以前は顧客が求める条件を満たす商品やサービスさえ用意しておけば、契約を取ることができました。

ですが、近年は多くの商品やサービスが登場していることもあり、顧客側の選択肢が豊富です。さまざまな商品やサービスを比較しながら選べる状況にあるため、ただ一部の条件を満たしているだけでは響きません。

その中から自社の商品を選んでもらうためには、顧客のニーズを十分に理解し、それに合わせた提案などを行っていく必要があります。そのため、自社商品を魅力的に見せるための工夫が必要です。

多様化しているニーズに対応するため、情報収集や各種資料の作成なども求められます。これにより内勤業務が増え、営業機会が失われてしまうことも課題です。

営業業務を改善することによってもたらされる恩恵

現在の営業業務には問題がある、またはさらに良くしていきたいと考えているのであれば、業務改善に取り組んでいきましょう。業務改善が成功すれば、以下のような恩恵につながります。

成約確度を上げられる

業務改善でメリットがあるのは、営業担当だけではありません。業務改善で業務の効率化ができれば質の良い営業ができるようになるので、顧客満足度向上につながります。

業務改善でリソースに余裕が生まれるようになれば、その時間を活用して商談の準備を丁寧に行うことも可能です。

例えば、これまで以上に見込み顧客の情報収集を行ったり、より密なコミュニケーションを取ったりすることができます。

こういったことにより、成約確度を上げられるのも大きな特徴です。自社の商品やサービスをより魅力的に感じてもらえることも増えるでしょう。

顧客満足度が高まれば新規契約や契約の継続にもつながるため、売り上げアップが期待できます。営業の質も高まり、成果が得られればやりがいを感じることもできるでしょう。

担当者の負荷を軽減できる

営業担当者は肉体的疲労が大きい外回りの営業に加え、各種事務作業も担当しています。業務改善をする場合は、これら両方を効率よく行えるように工夫していかなければなりません。

外回り営業・事務作業の効率化ができれば、担当者の負荷を大きく軽減する効果が期待できます。

疲労やストレスの軽減にもつながるため、仕事のやる気を維持しやすくなるでしょう。また、ノンコア業務が効率化できれば、営業担当者が本来行わなければならない営業活動に集中できるようになります。

また、業務の効率化によって営業担当者に時間ができるようになると、その時間を活用してより多くの顧客訪問や商談などが可能です。こちらも売り上げの向上が期待できるポイントといえます。時間に余裕ができれば新たな営業戦略を考えることもできるでしょう。

営業ノウハウを共有できる

業務改善によって営業業務を効率化するためには、属人化を排除し、誰か一人にスキルや負担が偏らない状態にする必要があります。これは、営業ノウハウを共有することにもつながります。

業務改善を行う際は、あらかじめ各営業担当者のスキルやノウハウなどを可視化することが重要です。優れたスキルやノウハウを持っている人がいる場合は、それらを営業担当者同士で共有し、営業担当職全体のスキルアップを実現しましょう。

営業ノウハウを共有できている状態であれば、例えば体調を崩してしまった際も、急ぎの業務を他の営業担当者に任せることができます。これは、成約機会を逃してしまうのを防ぐことにもつながるので、非常に重要なポイントです。

営業業務を改善する際のステップ

業務改善は、業務内容の洗い出しと可視化、目標設定と改善策の立案・実行、評価といったステップで行うことになります。それぞれ解説します。

業務内容の洗い出しと可視化

まず、業務内容の洗い出しから行いましょう。現在行っている業務内容を洗い出すことにより、その中にある無駄や改善ができそうなポイントを見つけ出すことが可能です。

洗い出しをする際は、各営業担当者から現在どのような業務を行っているのか具体的に聞き出すようにします。また、かかっている時間や問題に感じている部分などがあれば、それらもヒアリングしておきましょう。

行っている業務のヒアリングを行うと、複数の営業担当者が同じ作業を行っていることが見えてくる場合もあります。

こういった場合は担当者を決めてまとめることにより作業効率の改善につながるでしょう。

洗い出しが完了したらどの業務から改善を目指すのか決めます。特に業務改善によって大きな効果が期待できるものを優先させると効果的です。

目標設定と改善策の立案・実行

達成すべき目標を設定していきます。目標は実際に業務改善に取り組むことによって達成を目指せそうなものを設定することが重要です。

明らかに実現が難しい目標を設定してしまった場合はモチベーションの低下にもつながるので注意しましょう。

具体的な目標が定まったら、改善策を立案していきます。

誰が、いつ、どのような形で何を行うのか具体的に決めておくとそれぞれがすべき行動もわかりやすくなるはずです。業務改善までに時間がかかるものは長い目で見て取り組んでいかなければなりません。

実行する前にどのタイミングで改善度合いを評価するのかも決めておきましょう。

評価

定めていた評価のタイミングがきたら、業務改善の効果があったか評価を行っていきます。やりっ放しの状態になってしまうと、せっかく行った改善策が効果的なものであったか判断できません。

改善案を実施した結果、業務改善につながっていた場合はその他の業務改善へと進んでいきましょう。

うまくいかなかった場合は、原因を明確にした上で他の改善案を考えていかなければなりません。

他に有効だと思われる改善案を実施し、評価することを繰り返していくことで全体的な業務改善につながっていきます。

また、長期にわたって取り組んでいく必要がある改善案の場合、すべてが終わってから評価すると、思うように改善できていなかった場合に時間を無駄にしてしまいます。中間の評価地点を設定し、そのタイミングでどの程度効果が出ているか確認しましょう。

営業の業務改善を行う方法

営業の業務改善を行っていくにあたり、具体的な方法を確認しておきましょう。ここでは効果的な方法について6つ解説します。

営業マニュアルの作成

力を入れて行いたいのが営業マニュアルの作成です。特に、社内でも大きな成果を上げている人物の手法をマニュアル化していき、営業職全員で共有できるようにしましょう。

マニュアルを作成する際は、それを見れば新人でもやるべきことや商品・サービスのアピールポイント、基本的な営業のマナーなどがわかるものにします。

内容の充実したマニュアルを作成しておけば新人教育に活用することも可能です。また、業務の引き継ぎなどを行う際にも役立ちます。マニュアルを作成したら実際にそれを活用していきましょう。

変更があった際は、必要に応じてマニュアルを更新していくことになります。

顧客向けダウンロード資料・営業支援ツールの充実化

顧客向けに作るダウンロード資料や営業支援ツールを充実させるのもポイントです。

ダウンロード資料の内容を充実させておけば、興味を持った顧客はその資料を見ることで商品・サービスの大部分を理解できます。これにより、電話やメールでの基本的な内容の問い合わせを減らせるでしょう。

また、成約率の低い見込み顧客から問い合わせがきてしまうのを避けることも可能です。

顧客管理が手軽に、かつ効果的に行えるツールを導入すれば、より効率的に営業しやすくなるでしょう。

IT化・DX化

業務の効率を改善していくためには、IT化やDX化も重要です。時間効率を改善させるためにもオンライン商談のほか、IT化やDX化につながるツールを取り入れていきましょう。

どのツールが向いているかは企業によって異なります。例えば、情報共有がうまくいっていないと感じるのであれば、手軽に情報共有ができるようなチャットツールやファイル共有ツールなどのITツールを取り入れてみてください。

インサイドセールスの取り入れ

非対面で行う営業活動であるインサイドセールスも取り入れていくことをおすすめします。

例えば、電話やメールのほか、近年はWeb会議システムなどを活用して行うインサイドセールスも増えてきました。

直接訪問する必要がなくなれば、それだけ時間効率よく業務に取り組むことができます。

特に遠方の顧客に対して直接訪問しようと考えると、長い移動時間がかかってしまうため、インサイドセールスに切り替えるのが効果的です。

1件あたりの対応時間が短くなれば、それだけ1日に対応できる数を増やすこともできます。少ない営業担当者で活動しているチームでは、インサイドセールスを導入して時間効率を良くすることを検討してみてはいかがでしょうか。

業務委託サービスの利用

現在営業担当者が行っている業務の中には、外部への業務委託を検討できるものもあるはずです。例えば、データ入力やダイレクトメールの発送といった簡単なものから、プレゼン資料の作成、企画書の作成なども任せられます。

コア業務以外で時間がかかっている業務などがあれば、外部に委託できないのかを検討してみましょう。

業務委託する場合はどうしても費用がかかってしまいます。しかし、特に特定業務に特化しているサービスを契約すれば、自社で行うよりも時間効率よく対応してもらうことが可能です。

結果として自社で対応するよりもコストを抑えられるケースもあります。

顧客リストの作成

顧客リストを作成していきましょう。効率的な営業活動につながります。企業名や住所などのほか、電話番号や代表者・担当者の名前、案件の進捗、これまでのやりとり履歴などを作成し、共有すると効果的です。

共有しておくことによって同じ顧客に複数人でアプローチしたり、まだアプローチできていないのはどの顧客かを把握できたりします。

また、顧客によって注意すべきポイント、受注確度なども異なるので、これらをまとめてデータ化し、共有しておきましょう。

営業業務の改善に役立つツール

営業業務の改善に役立つツールには、さまざまなものがあります。

以下の中で自社に合ったものがあれば導入を検討してみてはいかがでしょうか。

CRMツール顧客管理ツール。顧客情報を管理できるほか、顧客の嗜好・ニーズを把握しやすくなるため、関係性の管理に役立つ。
名刺管理ツール交換した名刺の情報を管理するためのツール。スキャナーなどでデータを読み込めば自動でデータベースが作成されるため、手入力の手間がかからない。
SFA営業支援システム。組織内で営業活動や商談の進捗などの状況を共有、把握するのに役立つ。
スケジュール管理ツール予定を登録することで締め切りやスケジュールなどの通知を受け取ることができる。ダブルブッキングなどのリスクを抑えられる。

営業の業務改善にはマニュアル作成が効果的

いかがだったでしょうか。営業業務の改善を行っていきたいと考えた場合に抑えておくべきポイントを解説しました。業務改善によって期待できる効果や進め方などについてご理解いただけたかと思います。

営業職の属人化を防ぐためにもマニュアルを作成し、情報を共有していきましょう。フィンテックスでは、業務の見える化や属人化解消を目指す企業に向けて、業務の洗い出しや体系整理を含めた業務マニュアル作成を提案しています。

マニュアル作成に関して総合的にご相談いただけるので、ぜひご連絡ください。

監修者

監修者の写真

中丸 貴仁

企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)

<略歴>

フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。

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