マニュアル作成にも使える！短い文章でわかりやすく伝えるコツ

「簡潔でわかりやすい文章を書くこと」は、マニュアル作成をはじめ、あらゆる場面で重要なスキルです。特に、読み手に伝えたい内容を短い文章で正確に伝えることができれば、情報の理解度が大きく向上します。

この記事では、短い文章を活用して、情報をわかりやすく伝えるためのコツを解説します。簡潔な表現を取り入れることで、読み手にストレスを与えず、使いやすいマニュアルを作成する方法をぜひ参考にしてください。

目次
短い文章でわかりやすく伝える重要性
わかりやすい文章を作るコツ
読みやすい文章のための工夫
伝わる文章を作るための注意点
まとめ

短い文章でわかりやすく伝える重要性

短い文章は、情報を正確に効率よく伝えるための重要な要素です。
特にマニュアルのように多くの情報を含む文書では、短い文章を活用することで、読みやすさと理解度を大幅に向上させることができます。このセクションでは、短い文章がなぜ重要なのかを解説します。

なぜ短い文章が必要なのか？

短い文章は、情報を一目で理解できるようにするための基本です。
長い文章は読むのに時間がかかり、読み手に負担を与えることがあります。一方、短い文章は必要な情報を簡潔に伝え、読み手がすぐに内容を把握できるようにします。

特にマニュアルの場合、操作方法や手順を説明する場面では、短い文章の効果が顕著に表れます。

読み手の理解を助ける文章の特徴

わかりやすい文章には次のような特徴があります：

• 主語と述語が明確である
• 1つの文が1つの情報を伝えている（一文一義）
• 修飾語が少なく、簡潔である

これらの要素を取り入れることで、文章が短くなるだけでなく、読み手の理解を助ける効果も得られます。

マニュアル作成における短い文章の役割

マニュアルを作成する際には、1文はできるだけ短く簡潔に記載することをこころがけます。ユーザーが迷わずに必要な情報を見つけ、正しく操作できるよう、簡潔な表現で情報を伝えることが求められます。
また、視覚的な負担を軽減し、集中力を維持しやすくする効果もあります。操作マニュアルでよくある記載の事例を紹介します。

• 悪い例
  手順1．「ホーム」メニューを押して「フォント」を選択すると「フォント設定」画面が開くので、フォントの詳細を設定して「OK」をクリックします。
• 良い例
  手順1．「ホーム」メニューを押して「フォント」を選択します。
  （結果文）「フォント設定」画面が開きます。
  手順2．フォントの詳細を設定して「OK」をクリックします。

「良い例」の場合は、ユーザーの操作手順が端的に伝わりますね。

わかりやすい文章を作るコツ

文章をわかりやすくするためには、情報を簡潔にまとめるだけでなく、表現方法にも工夫が必要です。このセクションでは、具体的なコツを挙げながら、わかりやすい文章を作る方法を解説します。

一文一義を意識する

1つの文章にはひとつの内容だけを含めることで、情報を整理しやすくします。

• 悪い例
  「資料を準備して、会議に参加し、議事録を作成してください」
• 良い例
  「1．資料を準備してください」「2．会議に参加してください」「3．議事録を作成してください」
  このように分割することで、各手順が明確になります。

主語と述語を明確にする

誰が何をするのかをはっきりさせることで、文章の曖昧さを防ぎます。日本語は主語を省略できますが、それでは読み手にとって理解しづらい場合があります。
「席に着いたら会議を始めます」ではなく、「参加者の全員が席に着いたら会議を始めます」のように主語を明らかにすることでわかりやすい文章になります。

修飾語を適切に省略する

修飾語が多すぎると文章が冗長になります。必要な情報だけを残し冗長な表現を避けることで、簡潔な文章になります。
たとえば、「非常に詳細な説明が必要です」を「詳細な説明が必要です」と省略することで、スッキリとした印象を与えます。

箇条書きを活用する

複数の項目を説明するときは、文章で並べるよりも箇条書きを活用するほうが効果的です。
たとえば、次のような形式を使うと、読み手にとって理解しやすいマニュアルを作成できます：

• 手順を順序立てて説明する
• ポイントを明確に示す
• 見た目をシンプルにする

これらのコツを活用することで、短くても伝わりやすい文章を作成できます。

読みやすい文章のための工夫

短い文章でわかりやすく伝えるためには、ただ情報を削るだけでなく、読者がスムーズに理解できる工夫を施すことが大切です。このセクションでは、具体的な内容やフォーマットを活用した読みやすい文章の作り方を解説します。

具体的な解説

文章だけでは伝わりにくい内容でも、具体的な事例や数字、指示を用いることで読者がイメージを持ちやすくなります。

• 悪い例
  「商品の返品手続きを行ってください」
• 良い例
  「1．購入履歴ページを開きます。2．返品する商品を選択します。3．返品手続きを開始します。」
  このように、具体的な手順を示すことで、何をすべきかが明確になります。

情報を整理するためのセクション分け

長い文章や複雑な内容は、セクションに分けることで読みやすさが向上します。
見出しを適切に設定し、内容をカテゴリ別に整理することで、読者が必要な情報にすぐアクセスできるようになります。たとえば、手順ごとに段落を分けると、作業全体が把握しやすくなります。

視覚的に伝えるフォーマットの活用

文字だけでなく、表や図、アイコンなどを活用して情報を伝えると、視覚的にわかりやすくなります。たとえば、操作手順を説明する際に、画面のスクリーンショットや矢印を使うことで、読者の理解が深まります。さらに、強調したいポイントに「注意」のなどのアイコンを置くと、重要な箇所が一目でわかります。

伝わる文章を作るための注意点

読者に正確に伝わる文章を作るためには、簡潔さだけでなく、情報の適切な選定や表現の工夫が必要です。このセクションでは、誤解を防ぎ、読み手にしっかりと意図が伝わる文章作成のポイントを解説します。

必要な情報を削りすぎない工夫

文章を短くする際に情報を削りすぎてしまうと、肝心な内容が伝わらなくなる場合があります。たとえば、「準備してください」という指示だけでは具体性に欠けます。

「会議の準備として、以下を準備してください。

• プロジェクターをセットする。
• 必要なケーブルを用意する。」

このように詳細情報を端的に入れることで、誤解を防ぎつつ簡潔に表現ができます。

読み手に合わせた語彙の選択

読み手の知識やリテラシーに合わせた語彙を選ぶことが重要です。複雑な言葉を避け、誰でも理解できる平易な表現を心がけると、文章のわかりやすさが向上します。

専門用語を使用する場合は、本文中で説明すると、文章が長くなり読みづらくなります。長い説明文になる場合は、「※」を使用して注釈として文章の外に出すと見やすくなります。その専門用語をすでに知っているユーザーは読まなくてもよくなるというメリットもあります。

誤解を防ぐ表現のポイント

曖昧な表現や誤解を招く可能性のある言葉を避けることが大切です。

• 悪い例
  「近いうちに提出してください」
  これでは、いつまでに提出するべきなのかがわかりません。
• 良い例
  「〇月〇日までに提出してください」
  このように日付を明確に記載することで、読み手に正確な情報が伝わります。

まとめ

いかがでしたか。短い文章を活用したわかりやすいマニュアル作成のコツがご理解いただけたでしょうか。

フィンテックスでは、確かなスキルを持ったマニュアルライターが多数在籍しています。難解な情報をわかりやすく、読みづらいマニュアルを読みやすく活用されるマニュアルに劇的に作り替えることも可能です。マニュアルに関するお悩みは、ぜひフィンテックスにご相談ください。

つい読んでしまうマニュアル作成のリーディングカンパニー、株式会社フィンテックス

監修者

中丸 貴仁

企画営業部 営業本部長 / 経営学修士（MBA）

＜略歴＞

フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。